こんなお悩みありませんか?

舌がピリピリ、ヒリヒリと痛む。食事のたびに不快感がある。病院で検査をしても異常なしと言われ、どこに相談すれば良いのか分からない。そんな舌の痛みでお困りではありませんか?慢性的な舌痛症は1年、2年と長引くことも多く、日常生活に大きな影響を及ぼします。今回は、鍼灸師の視点から舌痛症の原因と改善方法について詳しく解説します。
動画解説
本記事は、木もれび鍼灸院の弓削周平が解説した舌痛症に関する動画の内容をもとに、より詳しく原因と対処法をまとめたものです。舌痛症の根本的なメカニズムから、自宅でできるセルフケア、専門的な鍼灸治療のアプローチまで、実践的な情報をお届けします。
なぜこの症状が起こるのか?その根本原因
舌痛症は、舌の前部がじわじわと痛む、ビリビリする、ヒリヒリするといった症状が慢性的に続く状態です。多くの場合、病院で検査を受けても明確な異常が見つからず、「原因不明」と診断されることが少なくありません。実は、舌痛症の約3割は歯科治療後に発症しているというアメリカ軍関係の病院からの報告もあります。
現代医学から見た原因
舌痛症の発生には、以下のような複合的な要因が関わっていると考えられています。
- 神経の問題:舌神経や三叉神経の慢性的な刺激による痛み
- 歯科治療の影響:虫歯治療や根管治療、抜歯などの処置後に神経が剥き出しになり、慢性痛に発展しやすい
- 虚血状態:歯への慢性的な圧力により、舌神経周辺が血流不足となり、微小血管(モヤモヤ血管)が新生される
- 咬合の問題:食いしばりや咬筋の過緊張により、下顎神経や舌神経周辺に持続的なストレスがかかる
- 股関節や膝の痛み:体重が片側に偏ることで、片側の食いしばりが発生し舌痛症につながる
東洋医学から見た根本原因
東洋医学では、舌痛症を気血の流れの滞りや臓腑の失調として捉えます。
- 気滞血瘀:ストレスや緊張により気の流れが滞り、血流が悪化することで舌に痛みが発生
- 陰虚火旺:体内の潤いが不足し、熱が上昇することで舌がヒリヒリと痛む
- 心脾両虚:心と脾の機能低下により、舌への栄養供給が不足し痛みが生じる
- 肝気鬱結:肝の疏泄機能の失調により、気の巡りが悪くなり舌に症状が現れる
舌神経と舌咽神経の違いを理解する
舌の神経支配は前部と後部で明確に分かれています。舌の前側は三叉神経から枝分かれした舌神経が、舌の奥や咽頭部は舌咽神経が支配しています。どこが痛いのか、飲み込む時に痛むのか、舌の先が慢性的に痛むのかによって、原因となる神経が異なります。適切な治療のためには、この神経の分布を理解することが重要です。
症状改善への具体的なアプローチ
舌痛症の改善には、日常生活でのセルフケアと専門的な治療を組み合わせることが効果的です。ここでは、今日から実践できる方法をご紹介します。
今すぐできるセルフケア
生活習慣の見直し
- 食いしばりの自覚:日中、無意識に歯を食いしばっていないか意識する。上下の歯が接触しないよう心がける
- 姿勢の改善:首や肩の緊張を緩和し、顎周辺の筋肉への負担を減らす
- 刺激物の制限:辛いもの、熱いもの、酸味の強いものなど、舌を刺激する食べ物を控える
- ストレス管理:リラックスできる時間を意識的に作り、自律神経のバランスを整える
- 股関節や膝の痛みがある場合:整形外科や整骨院で適切な治療を受け、体重の偏りを改善する
効果的なツボ押し
舌痛症の緩和に効果的なセルフケア方法をご紹介します。ただし、痛みがひどくなる場合は速やかに中止し、専門医にご相談ください。
舌神経への持続圧迫法
- 場所の特定:痛みが強い側(左右どちらか)を決める。舌の前部の痛みに左右差が必ずあるため、より痛い側を選ぶ
- 顎の触診:顎の先端の一番盛り上がっているところを後ろから前に撫でると、骨のへこみ(窪み)を感じる
- 押圧ポイント:骨のへこみから指1本後ろに入れ、下から上に向かって押す。次に指1本前、最後に真ん中から指1本後ろの3点を試す
- 持続圧:3つのポイントの中で最も痛い箇所を見つけ、1分間下から上、内から外に向かってじっくり押し続ける
- イメージ:内出血や注射の後に血を止めるように、グリグリ動かさず持続的に圧をかける
- 深さ:舌神経や下顎神経は顎の下から約1cm深い位置にあるため、しっかり中まで入れる感覚で
- 頻度:1日2〜3回、各回2〜3時間空けて実施。やりすぎると腫れや組織損傷の原因になるので注意
注意点
- うまく当たると舌がピリピリする感覚がある
- 1分経ったら舌の状態を確認する
- 痛みが増す場合は直ちに中止し、専門家に相談する
- 抜歯後に糸で縫合した経験があり、その直後から強烈な痛みがある場合は、舌を一緒に縫っている可能性があるため、セカンドオピニオンを受けることを推奨
簡単エクササイズ・呼吸法
- 顎のリラクゼーション:口を軽く開けて顎の力を抜き、ゆっくりと左右に動かす
- 首肩のストレッチ:首を前後左右にゆっくり倒し、肩を回して筋肉の緊張をほぐす
- 腹式呼吸:鼻から深く息を吸い、口からゆっくり吐く。自律神経を整える効果がある
専門的な鍼灸治療のアプローチ
木もれび鍼灸院では、舌痛症に対して東洋医学と現代医学の知見を融合させた治療を行っています。
鍼灸治療の特徴
- 神経周辺への直接アプローチ:下顎神経や舌神経周辺にピンポイントで鍼を施し、微小血管の増生を抑制
- 体質改善:気血の流れを整え、根本的な体質改善を目指す
- 全身調整:股関節や膝の問題、咬筋の緊張など、舌痛症の遠隔要因にもアプローチ
- 副作用が少ない:薬物療法と比較して副作用のリスクが低く、安全性が高い
治療の流れ
- 詳細な問診:発症時期、歯科治療歴、生活習慣、既往歴などを丁寧に聴取
- 東洋医学的診断:脈診、腹診、舌診により体質や病態を把握
- 神経の評価:痛みの部位から、舌神経か舌咽神経かを判別
- 個別治療プラン:症状と体質に合わせたオーダーメイドの治療計画を作成
- 定期的なフォローアップ:症状の変化を確認しながら治療内容を調整
モヤモヤ血管が疑われる場合
慢性的な圧迫により舌神経周辺に微小血管(モヤモヤ血管)が新生されている場合は、カテーテル治療やステロイド治療が標準的とされています。鍼灸治療はややイレギュラーなアプローチですが、多くの臨床例で効果を実感いただいています。ただし、専門医の診察も並行して受けることをお勧めします。
患者様からよくいただくご質問
Q1: 舌痛症は完治しますか?
A: 舌痛症は慢性痛の一種で、腰痛や五十肩と同様に原因が複合的なため、「完治」という表現は難しい場合があります。しかし、適切な治療とセルフケアにより、症状の大幅な改善や日常生活に支障のないレベルまで軽減することは十分可能です。1年、2年と悩まれている方も、鍼灸治療で痛みが楽になったケースは多数あります。
Q2: 歯科治療後に舌が痛くなりました。歯医者に言いづらいのですが…
A: 歯科治療後に舌痛症が発症するケースは約3割と報告されており、決して珍しくありません。これは医療過誤ではなく、口腔内の治療という性質上、神経が剥き出しになりやすいために起こる現象です。まずはセカンドオピニオンを受けることをお勧めします。また、鍼灸院でも対応可能ですので、お気軽にご相談ください。
Q3: セルフケアで効果が出るまでどのくらいかかりますか?
A: 個人差がありますが、ツボ押しを1日2〜3回継続することで、早い方では数日で変化を感じる場合があります。ただし、舌痛症は慢性的な症状のため、数週間から数ヶ月の継続が必要なケースが多いです。セルフケアで改善が見られない場合や痛みが増す場合は、速やかに専門家にご相談ください。
Q4: 股関節や膝の痛みと舌痛症は関係があるのですか?
A: はい、関係があります。股関節や膝に痛みがあると、無意識に体重を片側にかけて庇う姿勢になります。すると、庇っている側の足で食いしばりが発生しやすくなり、その側の舌神経周辺に慢性的なストレスがかかることで舌痛症が発生する可能性があります。全身のバランスを整えることも重要です。
まとめ:健やかな毎日を取り戻すために
舌痛症は原因が複雑で、病院では「異常なし」と診断されることも多い症状です。しかし、適切なアプローチにより改善の可能性は十分にあります。
- 神経支配の理解:舌神経と舌咽神経の違いを理解し、痛みの部位を正確に把握することが重要
- 歯科治療との関連:約3割が歯科治療後に発症しており、虚血による微小血管の新生が原因の可能性がある
- セルフケアの実践:顎下の舌神経ポイントへの持続圧迫法を1日2〜3回実施することで症状軽減が期待できる
- 専門治療の活用:鍼灸治療により神経周辺への直接アプローチと体質改善が可能
- 早期対処:慢性化する前に適切な対処を始めることで、症状の長期化を防げる可能性がある
一人で悩まず、まずは専門家にご相談ください。あなたの症状に最適な治療プランをご提案いたします。
木もれび鍼灸院でのご相談・治療をお考えの方へ
当院では、25年以上の臨床経験を持つ院長が、一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイド治療を行っています。舌痛症でお悩みの方、根本的な体質改善を目指したい方は、ぜひ一度ご相談ください。
【こんな方におすすめ】
- 慢性的な舌痛症にお悩みの方
- 病院で「異常なし」と言われたが痛みが続いている方
- 歯科治療後に舌の痛みが始まった方
- 薬に頼らない自然治癒力を高めたい方
- 体質改善で健康な毎日を送りたい方
- セルフケアの正しい方法を専門家から学びたい方
お問い合わせ・ご予約はこちら
※初回の方には詳しい問診とカウンセリングを行います
※症状や体質について気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください
※モヤモヤ血管が疑われる場合は、専門医との並行受診をお勧めすることがあります
歯科治療後の痛みに関する科学的根拠
舌痛症や口腔内の痛みが歯科治療後に発生することは、実は科学的にも報告されています。ここでは、信頼性の高い英語論文から、その発生率を示すデータをご紹介します。
📊 主要な研究データ
根管治療後の痛み発生率に関する前向き臨床研究
Alqahtani F, et al. (2025)
- 117名の患者を対象とした追跡調査
- 治療後24時間の痛み発生率: 42%
- 48時間後: 34%
- 7日後: 12%
- 文献レビューでは発生率を1.9%〜64%と報告
出典: Post-operative pain as a risk factor for reduced quality of life after root canal treatment (2025)
📊 系統的レビューによる包括的データ
根管治療後の痛み管理に関する系統的レビュー
Arias A, et al. (2022)
- 痛みの発生率: 2.5%〜60%と非常に一般的
- 治療後6〜12時間で痛みが増加
- 24時間後: 約40%
- 1週間後: 11%に低下
- 患者の生活の質(QOL)に大きく影響
出典: Post-Operative Endodontic Pain Management: An Overview of Systematic Reviews (2022)
研究から分かること
これらの信頼性の高い研究により、以下のことが明らかになっています。
- 高い発生率: 歯科治療後の痛みは決して珍しくなく、約40〜60%の患者に何らかの痛みが発生
- 時間経過: 多くの場合、24時間以内にピークを迎え、1週間程度で軽減
- 慢性化のリスク: 一部の患者では痛みが長期化し、舌痛症などの慢性痛に移行する可能性
- QOLへの影響: 術後の痛みが患者の生活の質に大きく影響することが科学的に証明されている
💡 重要なポイント
これらの研究は、歯科治療後の痛みが「医療過誤」ではなく、治療という行為の性質上、一定の割合で起こり得る現象であることを示しています。しかし、痛みが長期化したり、慢性痛に移行したりする場合は、適切な対処が必要です。

