糖尿病の漢方薬と鍼灸治療

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 「消渇とは、多飲、多食、多尿、身体の消瘦、または尿に甘味があることを特徴とする病です。この名は『内経』に初めて見られます。『霊枢・五変』篇では「五臓が皆柔弱な者は、消瘅にかかりやすい」と述べ、五臓の虚弱が消渴発生の重要な要因であることを指摘しています。飲食の乱れや情志の失調など、さまざまな病因が論じられています。『素問・奇病論篇』では、「肥満が原因で、甘く脂肪の多い食事を頻繁に摂る者に見られる。脂肪は体内を熱くし、甘いものは満腹感をもたらすため、気が上に溢れ消渴に至る」と述べています。『霊枢・五変』篇では、「怒りが気を逆流させ、胸中に留まり、血気を逆流させる。これが熱となり、肌肉を消耗するため消渴となる」と記述され、発病因子や臨床表現によって「消癉」「消渴」「肺消」「膈消」「消中」といった名称が記されています。

 歴代の医家は、『内経』を基にこの病の研究を進めてきました。『金匮要略』では消渴に特化した篇を設け、三つの消渴の症状と治療法を提案しています。『外台秘要・消中消渴腎消』篇では、「渇き、水を多く飲むこと、頻尿、尿に脂があり、麦粒のように甘いものがすべて消渴病である」と記され、また「発病すると尿が甘くなる」「体が焦げるように痩せる」とも述べられています。『衛生宝鑑』では、「消渴者は…小便が頻繁でその色が濃く、表面に浮膜があり、甘く蜜のような味がする」と消渴の臨床特徴についてさらに詳しく説明しています。

 『諸病源候論・消渴候』によると、「その病変は多く痈疽を引き起こす」とあります。『聖济总录・消渴門』でも「消渴者は長く治療されなければ、経絡が塞がり、肌肉に留まり、痈疽に変わる」と指摘されています。『河間六書・宣明論方・消渴总论』篇では、消渴は「雀目や内障に変わる可能性がある」と述べられています。『儒門事亲・刘河間三消论』篇では、「消渴者は多く聴覚障害、疮癣、痤疿などに変わることがあり、また蒸熱による虚弱や汗、肺痿、労嗽が見られる」と説明されており、古代の医家は消渴の複合的な症状に対する深い理解を持っていたことが示されています。

 後世の医家は、臨床実践に基づき、本病の「三多」症状の重軽を基にして、この症状を上消、中消、下消の三つに分類しています。『証治准縄・消癉』篇では、「渇き多飲がある場合は上消(膈消とも呼ばれる)、消谷善饥がある場合は中消(消中とも)、渇き頻尿がある場合は下消(肾消とも)」と説明されており、臨床での診断と治療に役立てています。ただし、治療においてはこれらを絶対に区別するべきではない、なぜなら、三消が分かれていても、その病機の性質は一つであり、肺、胃(脾)、腎と密接な関係があるからです。『聖济总录・消渴門』が指摘するように、「その本質は一つであり、その表現には三つある」ということである。」

病因病機

「消渇の主な原因は、素体の陰虚や飲食の不節、さらに情志の失調や労欲の過度などによるものです。

  • 飲食の不節: 長期にわたる肥甘や醇酒、厚味の過食は脾胃の運化を失職させ、积热内蕴を生じ、燥耗して津液を消耗し、消渇を引き起こします。『千金要方・消渴』篇では、「酒や食物を無節度に摂り、酸辛を選ばず、長年にわたり過度に楽しんだ結果、三焦が猛烈に熱くなり、五臓が乾燥し、木石でさえ乾枯するのに、人間が渇かないはずがない」と述べています。『丹溪心法・消渴』篇では、「酒や麺類を無節度に好み、焼肉などを嗜むことで、内部に炎熱が上昇し、燥熱が盛んとなり、津液が焦げて、水や汁を飲んでも自制できない」と説明しています。これらは飲食の不節が消渴の発生と密接な関係があることを示しています。
  • 情志の失調: 長期の精神的刺激により、気の流れが滞り、火に変化し、肺胃の陰津を消耗し、消渴を引き起こします。『儒門事亲・河間三消論』では、「消渴者は精神を乱し、度を過ぎることによって生じる」と述べています。『临证指南医案・三消』では、「心の愁いや郁勃が内火を自燃させ、それが消症の大きな病因となる」と説明しています。これらは五志の極端な状態や郁热が津液を傷つけ、本病の発生に重要な要因となることを示しています。
  • 労欲の過度: 素体の陰虚に加え、房室の不節や労欲の過度により、陰精が損耗し、陰虚火旺を引き起こし、上蒸する肺や胃によって消渴が発生します。『备急千金要方・消渴』篇では、「放蕩な生活を送る多くの人々が、若々しい時に自己を律し、情欲を制御せず、房室での行為に没頭し、少し年を取ると腎気が虚竭し…これはすべて房室の不節によるもの」と述べています。『外台秘要・消渴消中』篇では、「房室の過度な行為により腎気が虚耗し、下焦に熱を生じ、熱によって腎が乾燥し、腎の乾燥により渇く」と説明しています。これは房室の過度な行為が腎の乾燥と精の虚弱に関連し、消渴の発生に一定の関係があることを示しています。」

​​​「消渴の病機について、以下のような特徴があります。

  • 陰虚を本とし、燥热を標とする:陰虚と燥热は互いに原因と結果の関係にあります。燥热が増すと陰虚が進み、陰虚が進むと燥热が増す。病変の重点は肺、胃、腎にあり、特に腎が鍵となります。これらの臓器は、それぞれに偏重がありながらも、相互に影響を及ぼします。肺は治節を主とし、水の上源です。肺が燥して陰虚となると、津液が滋布されず、胃が潤いを失い、腎が滋養源を失います。胃の熱が偏っていると、肺の津を灼傷し、腎の陰を耗損させます。腎の陰不足、陰虚火旺もまた、肺や胃に炎熱を上げます。最終的には肺燥、胃热、腎虚が同時に存在することが多く、多飲、多食、多尿も一般に共に見られます。故に『临证指南医案・三消』では「三消一证は、上、中、下に分かれるが、本質的には陰亏陽亢、津涸热淫に過ぎない」と指摘されています。これは、本証の病機の特徴が、陰虚热淫にあることを示しています。
  • 気陰両傷、陰陽共に虚弱:本証が長期に渡り、陰が損なわれると陽に及び、气陰両傷または陰陽共に虚弱となり、極端な場合には腎陽の微弱な症状が現れます。初発時に气虚または陽虚を伴う場合もあり、これは患者の素体が陽虚气馁に関連していることが多いです。臨床上は少ないですが、見逃してはなりません。
  • 陰虚燥热により、多様な変証が出現する:例えば、肺が滋潤を失い、長期にわたると肺痨に併発することがあります。腎の陰亏损により肝が涵養を失い、肝腎の精血が耳目に上達できない場合、白内障、雀盲、耳聋などが併発します。燥热が内に結びつき、营陰が灼かれ、絡脈が瘀阻し、毒が蓄積して膿を生じ、疮疖、痈疽に至ることがあります。陰虚燥热が内に炽り、液を痰に変え、痰が経絡を阻害し、心窍を蒙ぼうして中風偏瘫を引き起こすこともあります。陰の損傷が陽に及び、脾腎が衰えると、水湿が滞り、肌肉に泛滥して水腫となります。陰津が極度に消耗し、虚陽が浮越すると、顔の赤み、頭痛、イライラ、悪心、吐き気、目眶の陥没、唇舌の乾燥と赤み、深く長い息などが見られます。最終的には陰が尽きて陽が亡くなり、昏迷、四肢の冷たさ、微細で絶える寸前の脈などの危機的状況が現れます。

 また、消渴の発病は血瘀とも関連があります。『血证论・发渴』篇では「瘀血により発渴する者は、津液の生成が腎の水から出るため、瘀血があると气が血に阻まれ、上昇できず、水津が气に伴って上に布くことができない」と説明されています。これにより、陰虚燥热が消渴血瘀の主要な原因であると考えられます。陰虚内熱により津液が焼けて瘀血が生じるか、病が陽に及び陰陽両虚となり、陽虚による寒凝が血瘀を引き起こすこともあります。」

類証鑑別

 消渴の特徴は多飲、多食、多尿、身体の消瘦ですが、命門火の衰えや虚陽浮越による口渇欲引饮、頻尿、形体消瘦、面色黧黒などと区別する必要があります。前者では飲食や尿量が一般人の倍になりますが、後者では口渇があっても多飲せず、食欲も落ちることがあります。前者の尿量は多く、色が濁って甘い味があるのに対し、後者は尿量が多くないことが多く、多くの場合色は澄んで甘い味がありません。前者は舌赤脈数が多いですが、後者は舌淡脈緩が多く、これによって鑑別が可能です。

弁証論治

 消渴は上消、中消、下消に分かれ、肺燥、胃热、腎虚という違いがありますが、実際には「三多」症状が同時に存在し、表れる程度に軽重の違いがあります。例えば、多飲が目立つ場合は上消、多食が目立つ場合は中消、多尿が目立つ場合は下消とされます。治療に関しては、『医学心悟・三消』篇で「上消を治療するには肺を潤し、胃を清めることが適切であり、中消は胃を清め、腎を滋養することが適切であり、下消は腎を滋養し、肺を補うことが適切である」と述べられており、消渴治療の要点を得ています。一般的に消渴の初期には燥熱が主であり、病程が長い場合は陰虚と燥熱が交互に現れ、病が長くなると陰虚が主となります。治療では、上消、中消、下消に関わらず、根本的には腎を滋養し陰を養うことが基本であり、燥熱が強い時は清熱を併用し、下消が長期化し陰損及び陽の場合は陰陽を共に補うことが適切です。消渴は陰虚燥熱が多く見られ、血瘀を引き起こすことが一般的であるため、上記の治療法に活血化瘀の品を適宜加えることができます。」

上消(肺热津伤)

【症状】 烦渴多饮、口干舌燥、尿頻尿量多、舌尖赤、苔薄黄、脈洪数。

【証候分析】 肺の熱が盛んで、液を消耗し津を傷つけるため、口が乾き舌が燥し、烦渴多饮が見られます。肺は治節を主とし、燥热が肺を傷つけ、治節の機能が失われ、水が津に化せず下に直行するため、尿頻尿量多が見られます。舌尖の赤み、苔の薄黄、脈の洪数は内熱が盛んであることを示します。

【治法】 清熱潤肺、生津止渴。

【方薬】 消渴方【287】加味。方中は花粉を重用し、津を生じ熱を清めます。黄連は熱を清め火を降ろし、生地黄や藕汁などで陰を養い液を増やします。葛根や麦冬を加えることで生津止渴の効果を強化できます。脈が洪数で力がなく、烦渴が止まらず、尿が頻数の場合、肺腎の気陰が虚弱であり、二冬汤【2】を用いることができます。この中で人参(または沙参で代用可)は気を補い津を生じ、二冬、花粉、黄芩、知母が熱を清め渴を解消します。苔が黄で乾燥し、烦渴が引き起こされる場合、脈が洪大であれば肺胃の熱が盛んで、気陰が損なわれていることを示し、白虎加人参汤【2】を用いて肺胃の熱を清泄し、生津止渴を行います。

中消(胃热炽盛)

【症状】 多食易饥、形体消瘦、大便乾燥、苔黄、脈滑実有力。

【証候分析】 胃の火が盛んで、食物を腐熟させる力が強いため、多食易饥が見られます。陽明の熱が盛んで津血を損傷し、筋肉を養うことができないため、形体が消瘦します。胃津が不足し大腸が潤いを失うため、大便が乾燥します。

苔が黄で脈が滑実有力なのは胃熱が盛んであることを示します。

【治法】 清胃泻火、養陰増液。

【方薬】 玉女煎【84】に黄連、梔子を加えます。方中の石膏、知母は肺胃の熱を清め、生地黄、麦冬は肺胃の陰を益し、黄連、梔子は熱を清め火を泻し、牛膝は熱を下行させます。大便が秘結し通じない場合は、增液承气汤【381】を用いて燥を潤し腑を通じさせ、大便が通じた後、上記の方に戻り治療を続けます。」

下消(肾阴亏虚)

【症状】 尿頻尿量多、混濁して脂膏のよう、または尿が甘い、口干唇燥、舌赤、脈沉細数。

【証候分析】 腎の虚弱により小便を制御できず、尿が頻尿量多となります。腎が水谷の精微を固摂できず、小便が混濁し脂膏のようになり、甘い味があります。口の乾燥、唇の燥、五心の煩熱、舌の赤み、脈の沉細数は腎陰の亏虚、虚火の妄動の象徴です。

【治法】 陰を滋養し腎を固める。

【方薬】 六味地黄丸【68】。方中の山药と萸肉の用量は多めにする必要があります。山药は脾陰を養い精微を摂り、萸肉は腎を固め精を益し、水谷の精微が下注するのを防ぎます。腎陰が不足し陰虚火が旺盛で、煩躁、不眠、遗精、舌赤、脈細数の症状がある場合は、陰を養い熱を清め、精を固め陽を潜めるために、黄柏、知母、龙骨、牡蛎、龟版を加えると良いです。尿量が多く混濁する場合は、腎を益し泉を縮めるために、益智仁、桑螵蛸、五味子、蚕茧などを加えます。气陰両虚で、倦怠、息切れ、舌が淡赤の場合は、党参、黄芪などの気を益す薬を加えると良いでしょう。」

下消(阴阳両虚)

【症状】 尿頻尿量多、混濁して膏のよう、飲むたびに尿をする、顔色が黧黒、耳轮が焦干、腰膝が酸軟、寒さを恐れる、陽萎が起こらない、舌が淡く苔が白、脈が沉細無力。

【証候分析】 腎が固蔵する機能を失い、腎気が沈んでいるため、尿が頻数で混濁し、膏のようになります。下元が虚弱で制約する力がないため、飲むたびに尿をします。水谷の精微が尿液に随って下注し、肌を温め身体を充実させることができず、残った陰が排出されず、顔色が黧黒で華やかさがない。腎は骨を主し、耳に開窓し、腰は腎の府であり、腎虚のため耳轮が焦干し、腰膝が酸軟になります。命門の火が衰え、宗筋が弛緩するため、寒さを恐れ、陽萎が起こらない。舌が淡く苔が白、脈が沉細無力であるのは陰陽両虚の象徴です。

【治法】 陽を温め、腎を滋養し、固摂する。

【方薬】『金匮肾気丸【220】』。方には附子、肉桂を用いて腎陽を温補し、六味地黄丸で腎陰を調補します。陰陽気血が共に虚弱の場合は、鹿茸丸【323】を用い、上記両方に覆盆子、桑螵蛸、金樱子などを加えて腎を補い固摂することができます。

上記の各種証型の消渴に、血瘀の証が現れる場合は、丹参、山楂、红花、桃仁などを用いて活血化瘀し、治療効果を高めることができます。

兼症治療

 白内障、雀盲、耳聋は肝腎の精血不足により、耳目への上承が不十分であるため発生します。肝腎を滋養することが適切であり、杞菊地黄丸や合羊肝丸を用いることができます。疮疡や痈疽の初期には熱毒が营を傷つけるため、解毒凉血のために五味消毒饮を用い、病が長引き气营が両方虚弱になり、脉絡が瘀阻し、毒が膿を形成する場合には、益气解毒化脓のために黄芪六一汤と犀黄丸を合わせて使用し、忍冬を追加することができます。

 このほか、単方の草薬も証候に基づいて適宜使用することで治療効果を高めることができます。以下にその例を紹介します:

  • 生地と黄芪を各30g、淮山药を90g用いて水煎し、1日1回服用。
  • 猪胰を1個取り、低温で乾燥させ、粉末にして蜜丸にし、1回に9gを2回服用し、長期にわたって服用する。
  • 玉米须と积雪草を各30g用いて水煎し、代茶として服用。

 消渴の治療には、薬物療法の他に、精神的な緊張を避け、性欲を節制することが重要です。食事に関しては、清淡な食事を心掛け、過食は避け、米類を適量にし、野菜、豆類、痩せた肉、鶏卵などを適切に組み合わせ、辛辣刺激のある食品は避けるべきです。「儒門事親・三消之説当从火断」篇では、「滋味を減らし、嗜欲を戒め、喜怒を節制しないと、病が再び発生する。この3つを守れば、消渴も心配ない」と述べています。「備急千金要方・消渴」篇では、「治療の成功は患者にかかっており、食事や性生活、飲酒などを適切に節制すれば、10日間で回復する。そうでなければ、すぐに死に至る……注意すべきは3つ、酒、性交、塩分が多い食事や麺類」と述べています。これらの見解は、実際の指導に有効であり、参考になります。

結論

 消渴は多飲、多食、多尿、消瘦を特徴とする病です。主な原因は飲食不節、情志失調、労欲過度であり、主要な病機は陰虚燥熱ですが、気陰両方の損傷、陰陽両方の虚弱、さらには他の疾患への変化も見られます。痈疽などは特に一般的です。治療では陰を滋養し、熱を清めることに加え、他の状況にも対応し、単方の草薬や生活調整を組み合わせて治療効果を高めることができます。

文献摘录

 《景岳全書・三消干渴》には、「三消の病は三焦に病があるもの。上消は渇症であり、飲むたびに渇く。これは上焦の津液が涸れたためであるが、古くは病は肺にあるとされた。だが、心脾や陽明の火もまたこれを焚炙することができるため、また膈消とも呼ばれる。中消は中焦の病であり、多食しても肌肉にならず、日に日に消瘦する。これは脾胃に病があり、また中消とも呼ばれる。下消は下焦の病であり、小便が黄赤く、淋浊し、膏のようで、顔は黒く耳は焦げ、日に日に消瘦する。これは腎に病があり、また腎消とも呼ばれる。この三消は古くはすべて火の証とされたが、実火と虚火があり、実火は邪熱の余りであり、虚火は真陰の不足である。消の証を治療するにあたり、虚実を区別しないと、誤りがないものはない」と述べられている。「消の治療法は、まず虚実を区別することが最も重要。脈証を察して実火で津液を消耗している場合は、火を取り除けば津液は自然に生じ、消渴は自然に止まる。真水が不足している場合は、陰虚に属し、上中下に関わらず、急いで腎を治療し、陰気を徐々に充実させ、精血を徐々に回復させれば、病は必ず治る。ただ清火するだけでは陰は生じず、日に日に消耗する」とも述べられている。

 《医学心悟・三消》には、「三消の証はすべて燥熱が集結したものである。上消を治療する大法は、肺を潤し、胃を清めることで、二冬湯が主となる。中消を治療するには、胃を清め、腎を滋養することで、生地八物湯が主となる。下消を治療するには、腎を滋養し、肺を補うことで、地黄湯、生脉散が主となる。上消で胃を清めるのは、胃火が肺を傷つけないようにするためであり、中消で腎を滋養するのは、相火が胃を攻撃しないようにするためであり、下消で肺を清めるのは、上源を滋養して水を生じるためである。三消の治療は、必ずしも本経に固執せず、その化源を滋養すれば、病は容易に癒える」と記されている。

 《临证指南医案・三消》には、「病が中上にある場合、膈膜の地であり、焼野の場となる。景岳の玉女煎や六味の二冬、龟甲、旱莲を加える。これは一方で陽明の熱を清め、少陰を滋養し、もう一方で心肺の陰を救い、真液を下顧する。元陽が変動して消烁となる場合、河間の甘露饮を用い、津を生じ、熱を清め、燥を潤し、陰を養い、甘くして陽を和らげる。至って壮水の主を制し、陽光を制御するには、六味で三陰を補い、車前、牛膝を加えて肝腎を導引する。変通を斟酌することが、まさに善である」と述べられている。」

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