こんなお悩みありませんか?
緊張やストレスですぐにお腹が痛くなる、便秘がちで常にお腹が張っている、下痢でトイレから出られない…。病院で検査をしても「腸に問題ない」「炎症がない」と言われ、過敏性腸症候群と診断される方が急増しています。実は、便秘型と下痢型では根本原因も対処法も全く異なることをご存知でしょうか?
動画解説
この記事では、過敏性腸症候群の便秘型・下痢型それぞれに特化した対処法、鍼灸治療で使う効果的なツボ、そしてセルフケアの方法を、10年間の臨床経験と中医学の知識をもとに詳しく解説します。
なぜこの症状が起こるのか?その根本原因
過敏性腸症候群(IBS)は、検査では異常が見つからないのに腹痛や便通異常が続く疾患です。多くの方が「原因不明」と諦めてしまいますが、実は明確な根本原因があります。
現代医学から見た原因
過敏性腸症候群の鍵を握るのが「セロトニン」という神経伝達物質です。セロトニンは感情や意識に関わる脳内物質として知られていますが、実は90%以上が腸で生成されています。
- 便秘型:腸内のセロトニン量が少なすぎる状態。腸内細菌叢が乏しく、蠕動運動が低下しています
- 下痢型:腸内のセロトニン量が多すぎる状態。腸内細菌が過剰で、蠕動運動が活発すぎます
- 腸脳相関:脳が受けたストレスや緊張が腸に直接作用し、腸の状態が脳にも影響を与える双方向の関係
つまり、便秘型と下痢型では腸内環境が正反対の状態にあるため、同じ対処法では改善しないのです。
東洋医学から見た根本原因
東洋医学では、過敏性腸症候群を「心」と「小腸」の関係性の乱れとして捉えます。
- 心(精神)の不調:ストレスや緊張による気の滞りが、消化器系に直接影響
- 脾胃の虚弱:消化吸収機能の低下により、腸内環境が乱れる
- 肝気の鬱滞:ストレスによる気の巡りの悪化が、腸の蠕動運動を乱す
- 心小腸相表裏:心経と小腸経が表裏一体の関係にあり、精神状態が腸に直結する
この東洋医学の考え方は、現代医学の「腸脳相関」と見事に一致しています。
症状改善への具体的なアプローチ
便秘型と下痢型では、セロトニンの増減をコントロールする方向性が全く逆になります。それぞれに最適な対処法を実践することが、症状改善の最短ルートです。
今すぐできるセルフケア
便秘型の方への食生活改善
目的:腸内細菌を育て、セロトニン量を増やす
- 食物繊維を積極的に:玉ねぎ、ニンニクなどフルクタンを含む野菜を毎日摂取
- 紅茶を毎日飲む:短鎖脂肪酸というアミノ酸が腸内環境を整える
- 発酵食品を取り入れる:納豆、味噌、ヨーグルトなどで善玉菌を増やす
- 豆類をしっかり食べる:腸内細菌の栄養源となり、蠕動運動を促進
- おすすめスパイス:コリアンダー、キャラウェイ、カルダモン(消化を助け、お腹の張りを軽減)
下痢型の方への食生活改善
目的:腸内細菌を鎮静化し、セロトニン量を減らす
- 食物繊維は控えめに:玉ねぎ、ニンニクは避ける
- 発酵食品を控える:腸内細菌の活動を抑制
- カフェインを避ける:コーヒー、緑茶、エナジードリンクなど
- ペパーミントティーを飲む:腸の過剰な動きを鎮める
- 抗菌作用のあるスパイス:オレガノ、タイム、セージで腸内細菌をコントロール
- 抗炎症スパイス:ターメリック(ウコン)、フェンネルで腸粘膜の炎症を抑える
効果的なツボ押し:神門穴(しんもんけつ)
便秘型・下痢型どちらにも効く万能ツボ
神門穴は、心経と小腸経がクロスする特別なツボです。精神と腸の両方に作用し、腸脳相関を整える効果があります。
【神門穴の位置】
- 小指から手首に向かってたどると、豆状の突起(豆状骨)があります
- 手を軽く握ると、腱が浮き出てきます
- この腱から小指側に約1cm移動した柔らかい部分が神門穴です
【押し方】
- 親指で優しく圧迫し、3〜5秒キープ
- これを5回繰り返す
- 両手とも行う(左右で熱感の違いを感じることがあります)
- お灸も効果的(せんねん灸などの市販品でOK)
【神門穴の2つの作用】
- 便秘型への効果:腸の蠕動運動を促進し、便通を改善
- 下痢型への効果:腸内の炎症反応を鎮静化し、過剰な動きを抑える
簡単エクササイズ・呼吸法
- 腹式呼吸:5秒吸って、7秒かけてゆっくり吐く。副交感神経を優位にし、腸をリラックス
- お腹のマッサージ:おへそを中心に時計回りに優しくマッサージ(1日5分)
- 軽いウォーキング:1日20分程度の散歩で自律神経を整える
- ストレス解消:好きな音楽を聴く、アロマを楽しむなど、リラックス時間を確保
専門的な鍼灸治療のアプローチ
木もれび鍼灸院では、過敏性腸症候群に対して東洋医学と現代医学の両面からアプローチします。
鍼灸治療の特徴
- 型別オーダーメイド治療:便秘型・下痢型・混合型それぞれに最適な施術
- 体質診断の徹底:脈診・腹診・舌診で根本原因を見極める
- 自律神経の調整:鍼灸で副交感神経を優位にし、腸の緊張を緩和
- 腸内環境の改善:ツボ刺激により腸の蠕動運動を正常化
- ストレスケア:心身両面からアプローチし、腸脳相関を整える
治療の流れ
- 詳細な問診:症状の経過、食生活、ストレス状況などを丁寧にヒアリング
- 東洋医学的診断:脈診・腹診・舌診で体質と腸の状態を把握
- 個別治療プラン作成:便秘型・下痢型に応じた最適なツボと施術法を選定
- 鍼灸施術:神門穴を中心に、脾兪、胃兪、大腸兪などを組み合わせて施術
- 生活指導:型別の食事法、セルフケア、ストレス対処法をアドバイス
- 定期フォローアップ:症状の変化に応じて治療内容を調整
患者様からよくいただくご質問
Q1: 便秘型と下痢型、どちらのタイプか自分では判断できません。混合型もあるのでしょうか?
A: はい、便秘と下痢を交互に繰り返す混合型の方も多くいらっしゃいます。混合型の場合は、その時の症状に応じた対応が必要です。また、型の判断が難しい場合は、専門家による体質診断をお勧めします。木もれび鍼灸院では初回の問診で詳しく状態を把握し、最適なアプローチをご提案いたします。
Q2: 神門穴はどのタイミングで押すのが効果的ですか?
A: 神門穴は便秘型・下痢型どちらにも有効ですが、押すタイミングでより効果が高まります。便秘型の方は朝起きた時と食後、下痢型の方はストレスを感じた時やお腹の不快感がある時に押すと良いでしょう。1日3〜5回を目安に、両手とも行ってください。
Q3: どのくらいの期間で症状は改善しますか?
A: 個人差はありますが、食生活の改善とツボケアを継続することで、2〜4週間程度で変化を実感される方が多いです。鍼灸治療を併用される場合は、週1〜2回の施術で1〜2ヶ月程度で安定してくることが期待できます。長年悩まれている方ほど、根気強く体質改善に取り組むことが大切です。
Q4: 薬との併用は可能ですか?
A: はい、可能です。現在服用中の薬がある場合は、急に中止せず継続しながら、鍼灸治療やセルフケアを始めてください。症状が改善してきたら、主治医と相談しながら薬の減量を検討することもできます。鍼灸治療は副作用がなく、薬との相互作用もありませんのでご安心ください。
まとめ:健やかな毎日を取り戻すために
過敏性腸症候群は「原因不明」ではありません。セロトニンの増減をコントロールすることで、症状改善の可能性が開けます。
- 便秘型と下痢型では対処法が正反対:自分のタイプを正しく理解することが第一歩
- 食生活の見直しが最重要:型に応じた食事法で腸内環境を整える
- 神門穴は万能ツボ:便秘型・下痢型どちらにも効果があり、毎日のセルフケアに最適
- 腸脳相関を理解する:ストレス管理と腸のケアは一体で行う
- 早めの対処が慢性化を防ぐ:放置すると症状が固定化し、改善に時間がかかる
一人で悩まず、東洋医学と現代医学の両面からアプローチする専門家にご相談ください。あなたの体質と症状に最適な治療プランで、根本からの改善を目指しましょう。
木もれび鍼灸院でのご相談・治療をお考えの方へ
当院では、過敏性腸症候群の便秘型・下痢型・混合型それぞれに特化したオーダーメイド治療を行っています。10年間で延べ10,000人以上の患者様を診てきた経験と、中医学の専門知識をもとに、あなたの体質に合わせた最適なアプローチをご提案いたします。
【こんな方におすすめ】
- 慢性的な過敏性腸症候群でお悩みの方
- 病院で「異常なし」と言われたが症状が続く方
- 便秘型・下痢型の判断がつかず困っている方
- 薬に頼らず自然治癒力を高めたい方
- セルフケアの正しい方法を専門家から学びたい方
- 根本的な体質改善で健康な毎日を送りたい方
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木もれび鍼灸院
お一人おひとりに寄り添う丁寧な治療を心がけています。
初回カウンセリングでは、詳細な問診と体質診断を行い、あなたの症状の根本原因を見極めます。
※初回の方には60分かけて詳しい問診と体質診断を行います
※便秘型・下痢型の判断や食生活のアドバイスも丁寧に行います
※症状や体質について気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください