検査で異常なしの腹部症状に|横隔膜刺鍼という選択肢|木もれび鍼灸院

検査で異常なしの腹部症状に|横隔膜刺鍼という選択肢|木もれび鍼灸院 未分類

本記事は「横隔膜刺鍼シリーズ」第2回(消化器編)です。シリーズの全体像は第1回「横隔膜刺鍼とは何か」をご覧ください。

こんなお悩みありませんか?

胃カメラや大腸カメラで「異常なし」と言われたのに、胃もたれ・食欲不振・みぞおちの痛み・ゲップやガスが止まらないといった症状が続いていませんか?呑気症、機能性ディスペプシア、逆流性食道炎、SIBO(小腸内細菌増殖症)など、病名は様々でもお薬の効果を実感しにくいという声を多くいただきます。

動画解説

今回は、横隔膜刺鍼シリーズ第2回・消化器編として、「原因不明」とされやすい慢性的な腹部症状と「横隔膜」の関係について、木もれび鍼灸院の院長・弓削周平が動画で解説しています。横隔膜の構造から、当院で行っている横隔膜刺鍼というアプローチまでを、実際の解剖図を交えてご紹介しています。この記事では、動画でお伝えした内容をさらに詳しく解説していきます。

なぜこの症状が起こるのか?その根本原因

現代医学から見た原因

横隔膜には食道が通る「食道裂孔」という開口部があり、右脚由来の筋線維がリング状に食道を取り囲むことで、下部食道括約筋を補助する「外側下部食道括約筋」として働いていると考えられています。息を吸うたびに圧が高まるのはこの横隔膜脚の収縮によるものです。

  • 横隔膜脚が食道の周りで括約筋のように働き、逆流を防ぐ補助的な役割を担っていると考えられていること
  • 加齢に伴い横隔膜と食道をつなぐ靱帯のコラーゲンが減少し、この機構が緩みやすくなること
  • 呼吸が浅くなる、姿勢が崩れるといった生活習慣がこの機能に影響しうること

また、消化管の運動は常に一定ではなく、空腹時には60〜120分ほどの周期で強い収縮(MMC:空腹期強収縮)が起こることが知られています。この収縮は消化管内の食べ残しや細菌を下流に掃除する役割を持つとされ、動画内でも触れているようにこの強収縮に横隔膜の上下運動が補助的に関わっていると考えられています。呼吸が浅くなり横隔膜の動きが乏しくなると、このMMCの働きが弱まり、腸内で細菌が過剰に増殖しやすくなる(SIBOの一因になりうる)という悪循環につながる可能性があります。

東洋医学から見た根本原因

東洋医学では、胃腸の不調を単に消化器官だけの問題としてではなく、気・血・水のめぐりや、肝・脾・胃など五臓のバランスの乱れとして捉えます。ストレスによる気の滞り(気滞)や、脾胃の働きの低下(脾胃虚弱)が、慢性的な胃腸症状の背景にあると考えられています。当院では横隔膜そのものへのアプローチに加え、太陽神経叢(腹腔神経叢)周辺への施術を「チャクラ鍼治療」と呼ぶこともあります。中医学の中焦(脾胃)とヨーガ思想のマニプーラ・チャクラは、いずれも身体の中央・消化を司る領域として位置づけられており、横隔膜の緊張はこうした気の滞りが構造面に現れたものと捉えることもできます。

症状改善への具体的なアプローチ

今すぐできるセルフケア

生活習慣の見直し

早食いを避ける、就寝直前の食事を控える、猫背の姿勢を長時間続けないなど、横隔膜の動きを妨げない生活習慣を意識することが大切です。

効果的なツボ押し・簡単エクササイズ・呼吸法

中脘(みぞおちとおへその中間)や足三里(膝下外側)といった古典的なツボへの穏やかな指圧や、腹式呼吸によって横隔膜をゆっくり大きく動かすことは、セルフケアとして取り入れやすい方法です。

専門的な鍼灸治療のアプローチ

鍼灸治療の特徴

木もれび鍼灸院では、慢性的な胃腸症状に対して横隔膜そのものへのアプローチを行っています。横隔膜全体ではなく、横隔膜の起始部にあたる「横隔膜脚」に的確に鍼を届かせ、まず緊張を緩め、そのうえで本来の上下運動を取り戻していくことを目指す施術です。マッサージやカイロプラクティックは行わず、鍼灸専門で対応しています。刺鍼の具体的な角度・深度など施術の技術的な詳細については、個々の患者さんの状態に応じて判断するため、ここでは割愛します。

治療の流れ

問診→脈診・腹診による体質(証)の見極め→治療プランのご提案→施術→経過を見ながらのフォローアップ、という流れで進めます。

患者様からよくいただくご質問

Q1. 病院で検査をしても異常がないと言われました。それでも施術を受けられますか?
はい。ただし、当院で施術をご希望の場合も、まずは胃カメラ・大腸カメラなどで気になる部位に器質的な炎症がないかを確認していただくことをお勧めしています。

Q2. どんな場合はすぐに病院を受診すべきですか?
吐血や黒色便、原因のわからない体重減少、食べ物の飲み込みにくさ(嚥下困難)がある場合は、鍼治療で対応できる範囲ではありません。速やかに消化器内科を受診してください。

Q3. どのくらいの期間で症状の変化を感じられますか?
症状の経過には個人差があります。当院では横隔膜の動きをつけることを軸に施術を行い、経過を見ながら施術内容を調整していきます。

まとめ:健やかな毎日を取り戻すために

呑気症、機能性ディスペプシア、逆流性食道炎、SIBOといった慢性的な腹部症状は、消化管そのものに炎症が見つからなくても強い不快感を伴うことがあります。その背景の一つとして、横隔膜の緊張や動きの悪さに着目することで、症状の改善が期待できるケースがあります。まずは器質的な異常がないかを医療機関で確認したうえで、原因の一つとして横隔膜へのアプローチを検討してみてください。

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参考文献

  1. 機能性ディスペプシアの薬物治療における課題に関する報告(疾患の不均一性・臨床試験の質・プラセボ効果に関する考察)
  2. 食道裂孔・横隔膜脚の機能解剖およびLES(下部食道括約筋)補助機構に関する解剖学的・生理学的研究
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