夏バテを完璧に解消する方法|西洋医学×東洋医学の3つの原因と対策
鍼灸師が教える体温調節・睡眠・脱水の根本解決法
木もれび鍼灸院の弓削先生による夏バテ完全解消法の実践的な解説動画です。西洋医学と東洋医学の両面から、夏バテの3つの根本原因とその対策、効果的な漢方薬とツボまで詳しく解説されています。
夏バテが起こる3つの根本原因
2025年6月は観測史上2回目の40度超えを記録する異常な暑さです。このような急激な温度変化に対して、なぜ夏バテが起こるのか西洋医学的観点から3つの原因を解説します。
① 体温調節機能の障害
- 急激な温度変化:先週20度→今週40度超えの極端な変化
- 暑熱馴化の遅れ:体が暑さに慣れるまで5-10日必要
- 発汗機能低下:エアコン依存で汗をかく機能が衰える
② 睡眠障害(熱帯夜の影響)
- 体内時計の乱れ:サーカディアンリズム(概日リズム)の狂い
- 入眠困難:暑さで寝苦しく睡眠の質が低下
- 体力消耗:睡眠不足による徐々な体力低下
③ 脱水・電解質バランス異常
- 水分・電解質喪失:大量発汗によるナトリウム・カリウムの流出
- 筋機能低下:電解質不足で筋肉が正常に動かない
- 消化機能障害:胃腸の筋肉も影響を受け食欲不振に
【対策①】体温調節機能の改善法
暑熱馴化(体を暑さに慣れさせる)のポイント
- 涼しい時間帯の運動:朝晩に歩行・軽いジョギングで発汗機能を活性化
- 段階的な暑さ慣れ:5-10日かけてゆっくりと外気温に体を順化
- エアコン対策:過度な冷房依存を避け、適度な暑さへの露出
重要:今頑張って体を慣れさせることで、7月・8月・9月・10月を快適に過ごせます。短期間の努力で長期間の快適さを得られます。
【対策②】熱帯夜を乗り切る睡眠改善法
質の高い睡眠を確保する3つの方法
睡眠のメカニズム:入眠時は体温が高温→低温に下がることで深い眠りに入ります。暑い環境では体温が下がらず入眠困難になります。
- 寝室の事前冷房:
- 就寝前に部屋をエアコンで冷やしておく
- 就寝時はエアコンを切り扇風機に切り替え
- 就寝前の冷水浴:
- 冷たい水で体を冷やして体温を下げる
- 体温低下により入眠しやすい状態を作る
- 朝の光浴び:
- 7-8時にカーテンを開けて太陽光を浴びる
- 目の時計遺伝子が15時間後の熟睡をセット
- 体内時計の調節で質の高い睡眠を確保
【対策③】脱水・電解質バランス改善法
カリウム不足が夏バテの主因
重要な発見:湿度が高い暑い時の発汗では、ナトリウムは再吸収されるためカリウムが圧倒的に多く失われます。カリウム不足により筋肉機能が低下し、だるさや食欲不振が起こります。
効果的なカリウム補給食品
ウリ科の野菜
きゅうり、スイカ、ズッキーニ、かぼちゃ、ゴーヤ、メロン
ナス科の野菜
ナス、トマト、ピーマン、唐辛子、パプリカ、シシトウ
効率的な摂取方法
- お漬物:塩分とカリウムを同時に効率的に摂取
- 梅干し:失われた電解質(ナトリウム・カリウム)の理想的な補給源
- 食品重視:サプリより多様な電解質を含む食品での摂取を推奨
注意:腎臓病の方はカリウム摂取が禁忌の場合があります。必ず主治医にご相談ください。
東洋医学による夏バテ対策
重症夏バテに効く漢方薬
藿香正気散(かっこうしょうきさん)
- 熱射病が長期間続き、かなり衰弱した状態に有効
- 7-8月に体重が大幅に減少してしまう場合に適用
- 残念ながら保険適用外(漢方外来・漢方薬局で入手)
夏バテ解消のツボ「注夏(ちゅうか)」
ツボの位置:
- 手の母指球(親指のふくらみ)と人差し指の骨の間
- 母指球が大きい人は小指側、小さい人は親指側に位置
- 体力の有無で母指球の大きさが変わるため位置も変動
効果と使用法:
- 吐き気止めとして効果的
- 食欲不振、体重低下に対応
- 指圧またはせんねん灸でのお灸が効果的
まとめ|夏バテ完璧解消の全体戦略
西洋医学×東洋医学の統合アプローチ
体温調節
涼しい時間の運動で暑熱馴化
睡眠改善
寝室冷房+冷水浴+朝の光浴び
栄養補給
ウリ科・ナス科でカリウム補給
重症時の東洋医学的対応:
- 藿香正気散(漢方薬)で体力回復
- 注夏のツボで吐き気・食欲不振を改善
今から対策を始めることで、7月〜10月を快適に過ごすことができます。