痩せすぎと自律神経の不調|25年の臨床知見|木もれび鍼灸院

痩せすぎと自律神経の不調|25年の臨床知見|木もれび鍼灸院 未分類

こんなお悩みありませんか?

低血圧や手足の冷え、偏頭痛や耳鳴りが続いている。機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群などお腹の不調がなかなか改善しない。いろいろな病院を回ったけれど、検査では「異常なし」と言われてしまう。そんなお悩みを抱えていませんか?

動画解説

ツボ塾の動画では、「痩せすぎ」が実は自律神経や末梢の血流に負担をかけ、さまざまな不調につながる可能性があることを、東洋医学の臨床経験を交えて解説しています。この記事では、その内容をもう少し詳しく、医学的な背景とあわせてご紹介します。

なぜこの症状が起こるのか?その根本原因

現代医学から見た原因

極端な低体重の状態では、循環している血液量そのものが少なくなり、心臓が一回に送り出す血液量(一回拍出量)も低下しやすくなります。これが本態性低血圧の背景の一つとされています。また、体熱の多くは筋肉の活動によって作られ、皮下脂肪が熱を保持する役割を担っているため、痩せ型の方は体を温める力そのものが不足しがちです。

  • 循環血液量・心拍出量の低下による低血圧傾向
  • 骨格筋量・皮下脂肪の不足による熱産生・保温力の低下
  • 横隔膜の動きの制限による呼吸補助筋(斜角筋・胸鎖乳突筋など)の過活動と、それに伴う肩こり

また、スイス・バーゼル大学の眼科医ヨセフ・フラマー教授が提唱した「フラマー症候群(一次性血管調節異常)」という概念があります。これは器質的な血管の詰まりを伴わずに、末梢の血管が通常より過剰に収縮しやすい体質的な特徴を指すもので、痩せ型・低血圧・冷え症・偏頭痛・耳鳴りといった症状との関連が報告されています。2017年に韓国で行われた症例対照研究(Kim, S. et al.)では、正常眼圧緑内障の患者さんにおいて、こうした自覚症状の頻度が健常な方より統計学的に高いことが確認されました。

なお、フラマー症候群と機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群、線維筋痛症といった機能性身体症候群との間には、「自律神経系の制御不全」という共通の生理学的な基盤がある可能性が指摘されていますが、両者を直接結びつけて因果関係を証明した大規模な研究は現時点ではまだありません。臨床的な作業仮説として捉えていただくのが正確な理解です。

体重と健康の関係については、国内の大規模コホート研究のプール解析(Sasazuki, T. et al., 2011)でも、BMI19未満の低体重は、重度の肥満と同程度、あるいはそれ以上に全死亡リスクを高めることが示されています。一方でこのデータは主に中高年〜高齢層を対象とした知見であり、20〜40代の若い世代に「太った方がよい」とそのまま当てはめるのは正確ではありません。若い世代にとっては、極端な痩せを避けつつ、標準的な体重域(BMI21〜23前後)を保つことが基本になります。

東洋医学から見た根本原因

中医学では、こうした痩せ型・冷え症の体質を「気血両虚」や「脾胃虚弱」として捉えます。脾胃(消化吸収の働き)が弱いために気血を十分に生み出せず、それが末梢の冷えや自律神経の不調、呼吸の浅さとして表れると考えられています。当院では、横隔膜や太陽神経叢(自律神経の中枢が集まる部位)へのアプローチを含む鍼灸治療によって、呼吸を深め、自律神経のバランスを整えるサポートを行っています。

症状改善への具体的なアプローチ

今すぐできるセルフケア

生活習慣の見直し

「痩せている=健康」という思い込みを一度手放し、無理な食事制限をやめることが第一歩です。好きなものを少しずつ、食べる量や回数を増やしていくことを意識してみてください。

簡単な呼吸法

1分間に6回程度のゆっくりとした腹式呼吸(吸って少し止めてゆっくり吐く)を、1日数分でも取り入れてみましょう。呼吸は自律神経の働きの中で唯一、自分の意思でコントロールできる部分とされています。

温める習慣

首や肩、お腹を温めることで、末梢の血流をサポートすることが期待できます。ゆっくりとした入浴もおすすめです。

専門的な鍼灸治療のアプローチ

鍼灸治療の特徴

木もれび鍼灸院では、横隔膜や太陽神経叢周辺へのアプローチを含む神経治療によって、呼吸の深さや自律神経のバランスの改善をサポートしています。

治療の流れ

問診で症状や生活背景を詳しくお伺いし、脈診・腹診などで体質を見極めた上で、個々の状態に合わせた治療プランをご提案します。その後も経過を見ながら継続的にフォローしていきます。

患者様からよくいただくご質問

Q1. 体重を増やせばフラマー症候群のような症状はすぐに治りますか?
体質や生活習慣の改善には時間がかかりますし、症状の背景には複数の要因が関わっています。断定的にお答えすることはできませんが、無理のない範囲で体重や食生活を見直すことは、症状の改善につながる可能性があるとされています。

Q2. 若い女性は「太った方がいい」のでしょうか?
極端な痩せを避けることは大切ですが、若い世代に高いBMIを推奨する根拠はありません。標準的な体重域を保つことが基本で、「痩せすぎない」ことが重要なポイントです。

Q3. GLP-1受容体作動薬(マンジャロなど)でのダイエットについてどう思いますか?
これらの薬剤は本来、糖尿病治療や重度の肥満症治療のために開発されたものです。非肥満の方が美容目的で使用することについては、日本肥満学会や厚生労働省からも注意が呼びかけられています。ご使用を検討されている場合は、必ず医師にご相談ください。

まとめ:健やかな毎日を取り戻すために

「痩せている=健康」というイメージにとらわれすぎず、ご自身の体質や生活習慣を見直すことが、不調改善への第一歩になることがあります。低血圧や冷え症、偏頭痛、耳鳴り、お腹の不調が続く方は、一つひとつの症状を別々に捉えるのではなく、体全体のつながりとして見ていくことも大切です。

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参考文献

  1. Sasazuki S, et al. Body mass index and mortality from all causes and major causes in Japanese: results of a pooled analysis of 7 large-scale cohort studies. J Epidemiol. 2011.
  2. Kim S, et al. Association between normal-tension glaucoma and Flammer syndrome symptoms. (症例対照研究, 2017年発表)
  3. Flammer J, et al. The primary vascular dysregulation syndrome: implications for eye diseases. EPMA J. 2013.
  4. 日本肥満学会(JASSO)ほか合同声明. GLP-1受容体作動薬の適正使用に関する声明. 2023年11月25日.
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