胃カメラで「異常なし」なのに
吐き気・膨満感が止まらない方へ
その吐き気の原因は、胃だけではありません。
末梢の感覚過敏・微小炎症・脳の過剰反応——
3つの層から根本を整えるセルフケアをご紹介します。
こんな症状でお悩みではありませんか?
- 食後にいつも気持ち悪くなり、ご飯が食べられない
- 胃カメラで「問題なし」と言われたのに症状が続いている
- 機能性ディスペプシアと診断されたが改善しない
- お腹がパンパンに張る膨満感が慢性的にある
- 市販の胃薬を飲んでも効果を感じにくい
- ストレスを感じると吐き気が悪化する
- 太りたいのに太れない
一つでも当てはまる方は、ぜひこのページを最後までご覧ください。
大阪府池田市の木もれび鍼灸院・院長の弓削周平が、吐き気の「本当の原因」と「今日からできるセルフケア」をお伝えします。
動画で解説しています
以下のYouTube動画では、吐き気・悪心・膨満感の3つの原因と、それぞれに対応するセルフケアを弓削周平が実演付きで解説しています。
※動画と合わせて、このページで詳しく解説しています。
なぜ検査で「異常なし」でも吐き気が起こるのか
成人の約7割が何らかの消化障害を抱えていると言われています。そしてそのうちの多くが、内視鏡で目に見える炎症のない「機能性ディスペプシア」や「非びらん性逆流性食道炎」です。検査で見つからないから原因がないのではありません。吐き気は3つの層から同時に起きています。
末梢性感覚過敏——胃・食道が過敏になっている
胃や食道の感覚神経が過敏になり、通常では気にならない程度の刺激でも「気持ち悪い」「膨満感がある」と感じてしまう状態です。機能性ディスペプシアや非びらん性逆流性食道炎の方に多く見られます。少量の食事や軽い蠕動運動だけで吐き気を感じてしまうのは、この感覚異常が原因です。
微小炎症——顕微鏡でしか見えない慢性炎症
内視鏡や胃カメラでは「炎症なし」と判定されても、顕微鏡レベルでは慢性炎症が存在しているケースがあります。この微小炎症が胃酸や消化酵素の分泌を過剰に刺激として感知させ、持続的な吐き気の原因になっています。肉眼では見えないために見逃されやすいのが特徴です。
大脳皮質の過剰反応——脳が吐き気を増幅している
ストレスや不安によって呼吸が浅くなると、脳(大脳皮質)が興奮状態に入ります。その結果、本来なら受け流せるはずの胃腸からの信号を「危険」と過剰に解釈し、吐き気の感覚を何倍にも増幅してしまいます。ストレスが直接の原因というよりも、「呼吸の浅さ→脳の興奮→吐き気の増幅」という連鎖です。
研究でわかっていること
2020年にAnnals of Internal Medicine誌に掲載されたMaらの大規模RCT(ランダム化比較試験、n=278)では、機能性ディスペプシア患者への鍼治療(週3回・4週間)の臨床改善率が83.0%であり、偽鍼群の51.6%と比較して有意に優れた結果が報告されました(p<0.001)。
さらに鍼治療群では、心拍変動(HRV)の副交感神経成分が有意に増加しており、迷走神経を介した胃の運動機能の改善が客観的に示されています。
2020年のAmerican Journal of Gastroenterology誌に掲載されたHallandらの研究(n=23)では、食後15分間の横隔膜腹式呼吸により、吸気時の下部食道括約筋圧が23.1 mmHgから42.2 mmHgへと有意に上昇し(p<0.001)、食後の逆流イベントが2.60回から0.36回へと激減したことが報告されています。
3つの原因に対応するセルフケア
足三里・すねのストレッチ
膝のお皿に親指と人差し指をL字型にして引っ掛けます。人差し指の先端が当たるすねの外側——ここが足三里です。胃腸障害に古来より使われてきた代表的なツボです。
やり方:仰向けに寝て、膝を深く曲げます。そうすると太ももの前面からすねにかけてピーンとストレッチ感が広がります。この姿勢を30秒〜1分維持してください。
バンザイも同時に行うと、腹筋の緊張も一緒に緩ませることができます。
お腹の不調を抱えている方は、すねの筋肉がパンパンに張っていることが多いです。このストレッチですねの緊張を日常的に取ることで、膨満感が緩和されていきます。機能性ディスペプシアだけでなく、非びらん性逆流性食道炎にも有効です。毎日の習慣にしてみてください。
労宮・板門・内関ライン(正中神経ライン)マッサージ
労宮(ろうきゅう):手のひらの中央、中指のライン上のくぼみ
板門(ばんもん):手のひらの母指球(親指の膨らみ)と小指球(小指の膨らみ)のちょうど真ん中
内関(ないかん):手首の内側から指3本分ひじ方向に上がったところ
やり方:吐き気や膨満感が出たとき、反対の手の親指で労宮→板門→内関の順に手首方向へ滑らすようにマッサージします。
慣れてきたら、手をクロスするようにして親指で擦るように刺激してみてください。
このラインは正中神経の支配領域にあたり、食道や胃の慢性的な不快感・炎症を抑えるツボが集中しています。車酔いの吐き気にも使える方法で、近年はエビデンスもかなり確立してきています。ただし、ずっと圧迫し続けると効果が落ちるので、症状が出たときに行うのがポイントです。
斜角筋アプローチで呼吸を深くする
右手を左肩にスッと当てます。ちょうど中指と人差し指が当たる場所が肩甲骨の上です。そこから指1本分前にずらし、さらに後ろ方向へゆっくり押し込んでいきます。壁のような固い組織にあたる感覚があり、ズーンと肩全体に広がる感覚がしたら、そこが斜角筋です。
※前すぎると腕神経叢(手の神経)に当たるので注意してください。
やり方:斜角筋を反対の手の中指・人差し指で圧迫しながら、以下のどちらかを行います。
・圧迫している方の肩をぐるぐる回す
・圧迫している方向に頭をゆっくり倒す
斜角筋は横隔膜を支配する横隔神経に影響を与える筋肉です。この筋肉が緊張すると呼吸が浅くなり、脳が興奮状態に入って吐き気を増幅させます。斜角筋を緩めることで横隔膜の動きが楽になり、ストレスがかかっても呼吸が深い状態を維持できるようになります。左右両方行ってください。
院長・弓削周平からのメッセージ
吐き気・悪心・膨満感は、多くの場合「胃カメラで異常なし=原因不明」として放置されてしまいます。しかし、当院に来院される方の多くは、実は末梢の感覚過敏・顕微鏡レベルの微小炎症・脳の過剰反応という3つの層が複雑に絡み合った状態です。
私は25年以上の臨床の中で、横隔膜の呼吸筋を緩めることに特化した神経治療を行ってきました。胃そのものだけでなく、呼吸筋・自律神経・脳腸相関にまでアプローチすることで、長年「治らない」と言われてきた症状に変化が見られるケースがあります。
まずは今日ご紹介した3つのセルフケアを、毎日30秒でも続けてみてください。それだけでも身体は変わっていきます。そしてもし、セルフケアだけでは難しいと感じたときは、いつでもご相談ください。
吐き気・膨満感のこと、ひとりで悩まないでください
木もれび鍼灸院では、LINEでの無料相談を受け付けています。
「こんな症状でも相談していいの?」——大丈夫です。お気軽にどうぞ。
よくあるご質問
胃カメラで異常なしと言われましたが、鍼灸で改善できますか?
機能性ディスペプシアや非びらん性逆流性食道炎では、内視鏡では見えない感覚過敏や微小炎症が原因であることが多く、鍼灸はこれらに対する有効なアプローチとして研究報告も増えています。まずはお気軽にご相談ください。
セルフケアはどのくらいで効果が出ますか?
個人差がありますが、足三里のストレッチや内関ラインのマッサージを毎日続けることで、数週間で変化を感じる方が多いです。慢性化した症状ほど、焦らず継続することが大切です。
ストレスが原因と言われましたが、鍼灸で対応できますか?
ストレスによる吐き気は「呼吸が浅くなる→脳の興奮→吐き気の増幅」という流れで起こります。斜角筋へのアプローチと横隔膜呼吸の組み合わせで、このメカニズムに直接働きかけることが期待できます。
太りたいのに太れません。関係ありますか?
膨満感や吐き気が慢性化すると食事量が減り、体重が増やせなくなります。当院ではこのような方にも集中的な神経治療を行っています。
木もれび鍼灸院の施術アプローチ
当院では、吐き気の3つの原因すべてに対応する多層的な神経治療を行っています。
横隔膜刺鍼——呼吸筋を緩め、自律神経を整える
横隔膜の脚部にアプローチすることで、呼吸を深くし、迷走神経の働きを回復させます。逆流防止のバリアを物理的に強化する効果も期待できます。
足三里・中脘への鍼灸治療——胃の運動機能を改善
足三里(ST36)や中脘(CV12)への刺激は、迷走神経を介して胃の適応性弛緩を回復させ、食後の膨満感や吐き気を軽減します。RCTでも高い臨床改善率が報告されている手法です。
脳腸相関へのアプローチ——過剰反応をリセット
手技による「得気(ひびき)」刺激を用いることで、脳の島皮質と扁桃体の過剰な結合をデカップリングし、身体に対する過剰警戒(ハイパービジランス)をリセットすることが期待できます。
医院情報
〒563-0033 大阪府池田市住吉1-7-3 パンション明石203号室
最寄駅:阪急石橋阪大前駅より徒歩12分
電話:072-761-5589
院長:弓削周平(ゆげ しゅうへい)
臨床歴25年以上|中国・長春中医薬大学にて中医学修学
厚生労働大臣認定 鍼灸師
慢性的な胃腸障害・自律神経の不調に特化した専門院です。
大阪府全域からご来院いただいています。
参考文献
- Ma X, et al. Acupuncture for Functional Dyspepsia: A Single Blinded, Randomized, Controlled Trial. Ann Intern Med. 2020;172(12):777-787. DOI
- Halland M, et al. Effects of Diaphragmatic Breathing on the Pathophysiology and Treatment of Upright Gastroesophageal Reflux. Am J Gastroenterol. 2021;116(1):104-111.
- Ustaoglu A, et al. Mucosal pathobiology of NERD: TRPV1 and ASIC3 expression mapping. Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol. 2021.
- Yin F, et al. Clinical-Functional Brain Connectivity Signature Predicts Acupuncture Outcomes in Functional Dyspepsia. PMC. 2023.
- Aziz I, et al. Epidemiology, Clinical Characteristics, and Associations for Rome IV Functional Nausea and Vomiting Disorders in Adults. Clin Gastroenterol Hepatol. 2019;17(5):878-886.
- Leech T, et al. Substance P-mediated neuroimmune crosstalk in esophageal mucosa. Frontiers in Immunology / Neurogastroenterol Motil. 2026.

