【口臭】口臭を消す方法|耳下腺の唾液を増やすマッサージ3つを解説

【口臭】口臭を消す方法|耳下腺の唾液を増やすマッサージ3つを解説 口腔疾患

この記事の結論

口臭を消すセルフケアとして、耳下腺(じかせん)の唾液を増やす3つのマッサージ(咬筋・側頭部・ステンセン管)を、体が温まったときに毎日行う方法があります。ただし、これらで口臭が減ることは研究では確かめられていません。動画での説明と、経験にもとづく方法としてご紹介します。効果には個人差があります。

この記事の対象者
内臓の病気はないのに、口の匂いが気になる方向けのセルフケアです。腎臓・肝臓の病気、糖尿病、ベーチェット病などがある方や、体調の変化を伴う口臭は、「こんなときは医療機関へ」をご覧ください。舌のヒリヒリ・痛みが主な悩みの方は、舌痛症の記事もあわせてどうぞ。

口臭を消す方法は?耳下腺の唾液を増やす3つのマッサージ

耳下腺とは、頬の横、耳の前にある大きな唾液の袋です。動画では、この耳下腺から出るサラサラの唾液を増やすために、次の3か所を順に、それぞれ30秒ずつマッサージする方法を紹介しました。

① 咬筋(こうきん)をゆるめる

場所:奥歯をぐっと噛みしめたときに、頬の顎のあたりで盛り上がる筋肉です。

やり方:手を猫の手のように軽く握り、指が平らになる部分を、いちばん盛り上がるところに当てます。円を描くように30秒、ぐるぐる回します。

ねらい:咬筋が緊張していると唾液が出にくいと動画では説明しています。最初の一歩として、まず咬筋をゆるめます。

② 側頭部(そくとうぶ)をゆるめる

場所:噛みしめたときに、耳の上あたりで盛り上がるところです。わかりにくいときは、耳の上から指3本分上を目安にしてください。

やり方:①と同じ手の形で、円を描くように30秒、軽くぐるぐる回します。強くやる必要はありません。

ねらい:噛みしめに関わる筋肉をゆるめ、①とあわせて顎まわりの緊張を整えます。

③ ステンセン管をなぞる

場所:耳の前から、上の歯に沿って前へ向かう、耳下腺の唾液の通り道です。出口は頬の内側、上の奥歯の横にあります。

やり方:①と同じ手の形で、耳の前から上の歯に沿って、前側へゆっくりスライドさせるようにマッサージします。30秒行います。

ねらい:耳下腺は大きな袋なのに、唾液が通る管はとても細いと動画では説明しています。その通り道を意識してなぞります。

この記事では、大阪の木もれび鍼灸院・院長 弓削周平(鍼灸師・臨床経験27年)が、このセルフケアのやり方と、研究で分かっていること・分かっていないことを整理します。

口臭と唾液にはどんな関係がある?

動画で話したこと

口臭は、唾液のバランスが崩れることで起こると説明しています。サラサラの唾液が減り、粘り気のある唾液が多くなる傾向になると、口の中で細菌が増えて、口が臭くなりやすいという考え方です。

この「唾液のバランスが崩れると口臭が起こる」という考え方は、機序的仮説です。今回の文献検索は、耳下腺からの唾液分泌に限っており、口臭が減る効果は調べていません。そのため、「唾液が増えれば口臭が減る」とは、この記事では断定しません。

噛みしめなどで顎まわりが緊張 → サラサラの唾液が減る(仮説) → 口の中の細菌が増える(仮説) → 口臭

舌の動きと唾液、口臭の関係は、舌の動きが悪いと起こる体の不調の記事でも触れています。

耳下腺の唾液と、顎の下の唾液はどう違う?

唾液を出す大きな袋(唾液腺)は、おもに3種類あります。耳下腺はサラサラ(漿液性)の唾液を、顎の下にある顎下腺(がっかせん)と舌下腺(ぜっかせん)は、粘り気のある唾液を出します。ここまでは確立した生理学です。

粘り気のある唾液は、口の中の粘膜や舌を守る大事な働きがあります。動画でも、こちらが悪者ではないと強調されています。

動画で話したこと

耳下腺の唾液が少なくなり、顎の下側の唾液が多くなる傾向があると、口臭につながると説明しています。そのため、耳下腺を刺激して、サラサラの唾液を毎日出すことをすすめています。

この「耳下腺の唾液が減って顎の下側が多くなる」という点は、機序的仮説です。今回の検索では、抄録で確かめることができませんでした。

マッサージで耳下腺の唾液は増える?

動画で話したこと

咬筋・側頭部・ステンセン管を温めながらマッサージすることで、耳下腺から唾液を出しやすくすると説明しています。

研究で分かっていること

耳下腺のマッサージで唾液が増えることを、直接確かめた研究は、今回の検索では確認できませんでした。近い研究として、放射線治療のあとに口の乾きが出ている患者さんを対象に、口の外側から電気で刺激した小規模な臨床試験があります。ほとんどの人で、刺激しているあいだ唾液の量が増えたと報告されています。ただし、これは電気刺激で、唾液の量も耳下腺だけではなく全体で測られ、比べる群の記載もありません。マッサージの根拠にはなりません。

動画との違い
動画では、マッサージで唾液が出やすくなると紹介していますが、マッサージで耳下腺の唾液が増えることを確かめた研究は、確認できませんでした。この記事では、マッサージを経験的示唆として扱います。

また、「咬筋が緊張すると唾液が出にくい」という動画の説明は未検証です。今回の検索では、咬筋の緊張と唾液の量の関係を示す論文は見つかりませんでした。

ステンセン管はなぜ大事?

ステンセン管(耳下腺管)は、耳下腺でつくられた唾液を口の中へ運ぶ細い管で、頬の内側、上の奥歯の横に開きます。これは確立した解剖です。

口の中が乾いて唾液が少なくなると、口の中の細菌が管を逆にたどって耳下腺に入り、耳下腺に炎症が起こることがあります。これも確立している点です。動画では、このため管を意識してなぞることをすすめています。ただし、マッサージで耳下腺炎を防げるかどうかは、確認できていません。

セルフケアのポイント

進め方の順番

  1. ① 咬筋を30秒、円を描くようにマッサージする
  2. ② 側頭部(耳の上、指3本分)を30秒、円を描くようにマッサージする
  3. ③ 耳の前から上の歯に沿って前へ、ステンセン管を30秒なぞる

行うタイミング

動画では、体が温まったときに行うのがよいとされています。お風呂に入りながら、または入浴後の習慣にすると続けやすいです。毎日行うことをすすめています。

強くやる必要はありません。軽く、ゆっくりが基本です。

※効果には個人差があります。強く押しすぎず、心地よいと感じる強さで行ってください。痛みや違和感がある場合は中止してください。耳の前に腫れや痛み、発熱があるときは、行わずに医療機関へ。

こんなときは医療機関へ

このセルフケアは、病気ではなく、健康なのに口臭が気になる方を対象にしています。次のような場合は、セルフケアよりも先に医療機関での確認をおすすめします。

  • 腎臓や肝臓の病気、糖尿病がある。口臭が強くなる方がいます
  • ベーチェット病(難病)があり、口臭が気になる
  • 耳の前や頬が腫れて痛い、熱がある
  • 口臭に加えて、体調の変化が続いている

歯や歯ぐきの状態が気になる場合は、歯科での確認も大切です。口の乾きや舌の痛み・ヒリヒリ感でお悩みの方は、舌痛症のセルフケアの記事もご覧ください。

セルフケアで改善しない場合は

数週間続けても口臭が気になる場合や、不安が大きい場合は、一人で抱え込まずにご相談ください。口の乾き、舌の痛み、口臭などのご相談は、当院でもお受けしています。

口臭・口の不調のご相談

「原因がはっきりしない」「病院では異常なしと言われた」という方は、お気軽にご相談ください。

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よくある質問

口臭を消すにはどうすればいいですか?

動画では、耳下腺の唾液を増やす3つのセルフケアを紹介しました。①頬の咬筋、②耳の上の側頭部、③耳の前から上の歯に沿ったステンセン管を、それぞれ約30秒、軽くマッサージします。口臭の原因が病気や歯の問題にある場合は、医療機関や歯科の受診が先になります。

マッサージはいつ行うのがよいですか?

動画では、体が温まったお風呂の中や入浴後に、毎日行うことをすすめています。強く押す必要はなく、軽く行います。

唾液が増えれば口臭は必ずなくなりますか?

必ずなくなるとはいえません。「唾液のバランスが崩れると口臭が起こる」という考え方は動画での説明(機序的仮説)で、今回の文献検索では口臭への効果を確かめていません。効果には個人差があります。

マッサージで耳下腺の唾液は本当に増えますか?

マッサージで耳下腺の唾液が増えることを直接確かめた研究は、今回の検索では確認できませんでした。動画で紹介された方法で、研究による裏づけはまだありません(経験的示唆)。

どんな口臭のときは医療機関に行くべきですか?

腎臓・肝臓の病気や糖尿病、ベーチェット病などで口臭が強くなることがあります。これらの持病がある方や、口臭に加えて体調の変化がある方は、まず主治医や医療機関にご相談ください。

耳の前が腫れて痛いときもマッサージしてよいですか?

腫れや痛み、発熱があるときはマッサージを中止し、医療機関を受診してください。耳下腺に炎症が起きている可能性があります。

妊娠中や持病があっても行えますか?

妊娠中の安全性を確かめた研究は確認できていません。妊娠中の方、持病のある方、治療中の方は、主治医にご相談のうえで行ってください。

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監修

木もれび鍼灸院/ツボ塾 代表

弓削 周平(ゆげ しゅうへい)

保有資格
  • 鍼灸師(はり師・きゅう師)
  • 日本東洋医学会会員
経歴
  • 2002年 明治東洋医学院専門学校卒業
  • 2011年 長春中医薬大学卒業(中医学士)
  • 2014年 木もれび鍼灸院開業

参考文献

  1. Clin Oncol. 2014(放射線治療後の口腔・中咽頭がん患者に対する経皮的電気刺激の前向き第II相試験) PubMed(PMID: 25262845)

大阪の鍼灸院

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