咳喘息(咳ぜんそく)は、ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)や息苦しさがなく、咳だけが長く続く病気です。夜から明け方にかけて悪化しやすく、季節や日によって強さが変わるのが特徴です。施設による差はありますが、日本では8週間以上続く慢性の咳の原因として最も多いとされています。
- 夜中から明け方に咳き込んで、眠れない
- 風邪は治ったはずなのに、咳だけが何週間も残っている
- 咳止めを飲んでも、また咳が戻ってくる
- 季節の変わり目になると、決まって咳が出る
- 仕事中や人前で咳が出て、周りの目が気になる
当院にも、こうした咳喘息のお悩みでご相談に来られる方がいます。
病院で胸のレントゲンや薬による治療を受けてはいるものの、咳を繰り返す毎日から抜け出せずにいる。そんな方も多いのではないでしょうか。
咳喘息のパターン
- 夜間から早朝に悪化する
- 眠れないほどの咳が出て、夜中や明け方に目が覚めてしまいます。
- 季節や日によって強さが変わる
- 季節の変わり目に出やすく、同じ人でも日によって咳の出方に差があります。
- 痰が切れると楽になる
- 咳が続くなかで、痰がうまく出ると楽になると感じる方もいます。
そこで本記事では、咳喘息のお悩みについて、東洋医学の視点から解説します。咳のつらさを和らげ、安心して眠れる毎日を取り戻す助けになれば幸いです。
咳喘息でお困りならば東洋医学専門の鍼灸院へ
大阪の鍼灸院
咳喘息の症状

咳喘息の主な症状は以下のとおりです。
- 咳だけが長く続く(ゼーゼー・ヒューヒューという音や息苦しさはない)
- 夜から明け方にかけて咳がひどくなる
- 眠れないほど咳き込む
- 季節によって咳が出やすい時期がある
- 日によって咳の強さが変わる
- 痰が切れると楽になる
東洋医学の古い書物では、音を伴う咳を「咳」、痰を吐き出すものを「嗽(そう)」とよび、あわせて「咳嗽(がいそう)」といいます。肺の気が上へ逆らって起こるものと考えられてきました。
症状が重い方ですと
- 眠れないほどの咳が続き、睡眠不足になる
- 咳き込みが続いて、体力を消耗する
- ゼーゼー・ヒューヒューという音や息苦しさを伴うようになる
といった症状がある場合もあります。
夜の咳で眠れないと、日中も疲れが抜けず、仕事や家事に集中しにくくなります。電車や会議、映画館など静かな場所で咳が出ることを気にして、外出や人づきあいが億劫になる方もいます。周りからは風邪のように見えやすいつらさだからこそ、その負担は非常に大きいと思います。
咳喘息の主な原因

西洋医学の観点からは、咳喘息は気道(空気の通り道)の炎症と、その敏感さによって起こると考えられています。
咳喘息では、気道の壁に好酸球(こうさんきゅう)という白血球の一種が集まって炎症が続き、気道が刺激に敏感な状態になっていると考えられています。この状態では、気管支の壁にある平滑筋(自分の意思では動かせない筋肉)が軽く縮むだけで、その筋肉の中にある知覚神経(Aδ線維)が刺激され、咳が出るという説明がされています。
咳が続く期間は、およそ次の3つに分けられます。
- 急性の咳:発症から3週間以内
- 遷延性(せんえんせい)の咳:3週間から8週間
- 慢性の咳:8週間以上
急性の咳の多くは風邪などの感染症が原因ですが、期間が長くなるほど感染症の割合は減り、咳喘息や胃食道逆流症などが増えるとされています。8週間以上続く慢性の咳の主な原因には、次のようなものがあります。
- 咳喘息
- アトピー咳嗽(がいそう)
- 副鼻腔気管支症候群
- 胃食道逆流症
- 感染後咳嗽
- ACE阻害薬などの薬の影響
- 喫煙
- 肺癌・肺結核などの病気
原因がひとつとは限らず、複数が重なっている場合もあります。そのため、咳止めや治療薬が効きにくいときは、別の原因が隠れていないかを医療機関で確認することが大切です。
気管支喘息との違いと、移行について
咳喘息は、典型的な気管支喘息とは症状や診断の面で区別されます。咳喘息には、ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴や息苦しさがなく、咳だけが続きます。聴診器で聞いても喘鳴はなく、呼吸機能(肺の働きを調べる検査)もほぼ正常で、気管支拡張薬(気道を広げる薬)が効くことが診断の目安のひとつです。
ただし、どちらも好酸球による気道の炎症が土台にある「喘息の仲間」です。成人の咳喘息の約3〜4割が、経過中に典型的な気管支喘息へ移行するとされています。一方で、吸入ステロイドで治療を続けると、移行は減ると報告されています。咳が軽くなっても、自己判断で治療をやめないことが大切です。
長引く咳の特徴によって、考えられる原因は異なります。
気管支拡張薬が効かず、のどのイガイガが目立つ咳
アトピー咳嗽:ゼーゼーや息苦しさを伴わない乾いた咳が続きます。気管支拡張薬が効かないことが咳喘息との違いで、季節性があり、のどのイガイガ感が特徴です。
鼻水やのどに流れる感じがあり、痰がからむ咳
副鼻腔気管支症候群:慢性の副鼻腔炎などに伴って、痰を伴う咳が続きます。くわしくは副鼻腔炎のページをご覧ください。
胸やけがあり、会話や食後、起床直後に悪化する咳
胃食道逆流症:胃酸などが食道に逆流して、のどや気道を刺激することで咳が出ます。ほかの原因と重なって、咳を長引かせることがあります。くわしくは逆流性食道炎のページをご覧ください。
風邪のあとから続く咳
感染後咳嗽:風邪などの症状が先にあり、その後に咳だけが残るものです。多くは時間とともに自然に軽くなっていく傾向があります。
次のような咳は、まず医療機関(呼吸器内科)を受診してください
- 咳が8週間以上続いている
- ゼーゼー・ヒューヒューという音や、息苦しさが出てきた
- 血の混じった痰(血痰)が出る
長引く咳では、胸部X線検査などで、肺癌や肺結核などの病気がないかを確認することが大切です。まず医療機関で検査を受け、重大な病気がないことを確認したうえで鍼灸をご検討ください。当院では施術前の問診でこうしたサインがないかを確認し、必要な場合は医療機関の受診をおすすめしています。
ですが、咳喘息は、胸部X線検査や聴診で異常がみつからないことが多く、血液検査でも異常が出ないことがあります。「検査では異常なし」と言われ、なぜ咳を繰り返すのかがはっきりしないまま、つきあい続けている方も少なくありません。
咳喘息に東洋医学がおすすめの理由

咳喘息の治療とのつきあい方
咳喘息の治療は、呼吸器内科で吸入ステロイドを中心とした治療を長く続けるのが基本です。医師のもとで適切に使えば、効果が期待できます。服用中の薬や吸入は、自己判断でやめないでください。
一方で、
- 咳が落ち着いても、また出てくるのではないかと不安
- 夜の咳で眠れず、疲れが抜けない
- 季節の変わり目や疲れがたまったときに、咳が出やすい
- 咳喘息以外の不調は残ったまま
というご相談も多く寄せられます。医療機関での検査・治療を受けながら、咳を起こしにくい体づくりを並行して進めることが大切です。
東洋医学で内側から体を整える

東洋医学では、咳だけに着目するのではなく、咳と一緒に起きている下記のような症状にも目を配り、全身の状態をチェックします。
- 疲れやすい
- 風邪をひきやすい
- 鼻づまり・鼻水
- のどの乾き・イガイガ感
- 胸の苦しさ・脇腹の張り
- イライラしやすい
- 寝つきが悪い・眠りが浅い
- 食欲がない・胃もたれ
- 肩こり
- 汗をかきやすい
東洋医学では咳喘息を、気道だけの問題ではなく、体の内側のバランスの乱れのあらわれと考えます。全身の調子を整えることで、咳を繰り返しにくい体を目指していくのが東洋医学でのやり方です。そのため、「検査では異常なし」と言われた方や、治療を受けていても不調が残っている方にも、東洋医学ならではの視点からご相談をお受けできます。
木もれび鍼灸院での施術の特徴
続けて、木もれび鍼灸院での施術についてくわしくご紹介します。

まずは、「四診」とよばれる東洋医学の伝統的な方法で、徹底的なカウンセリングを実施し、全身の状態を把握します。
四診とは、
- 視覚を通してチェックする「望診」
- 聴覚や嗅覚でチェックする「聞診」
- 問いかけと応答によりチェックする「問診」
- 脈や腹を診てチェックする「切診」
からなります。
咳喘息の場合は、咳が出やすい時間帯や季節、きっかけ(ストレス・疲れ・冷えなど)、痰の有無もくわしくうかがいます。
咳喘息を五臓の視点からみる

東洋医学では、咳は「肺」の働きの乱れとして捉えます。肺は、吸い込んだ気(エネルギー)を下へ降ろして呼吸を整える臓で、その働きが乱れると、気が上に逆らって咳になると考えられてきました。
東洋医学では、
- 気を下ろして呼吸を整える働きが乱れた咳喘息は「肺」の不調
- ストレスで気の巡りが滞り、発作的に咳が続く咳喘息は「肝」の不調
が関わっていると判断し施術をしています。(肺と肝は、西洋医学の肺・肝臓とは別物です。東洋医学の臓は、体の働きのまとまりを指します。)
1つずつ解説していきます。
「肺」が関わる場合
「肺」は、呼吸を担い、気を下へ降ろして全身に巡らせる働きをしています。この働きが乱れると、気が上に逆らって、咳となって現れると考えられています。
咳以外の症状として、
- 息切れしやすい
- 声がかすれやすい
- 風邪をひきやすい
- 鼻づまり・鼻水
- 皮膚が乾燥しやすい
- 疲れやすい
などの症状が多くみられます。
「肝」が関わる場合
「肝」は、気の巡りをのびやかに保ち、感情の安定とも深く関わる臓です。ストレスで肝の巡りが滞り、それが熱を帯びて肺に上がると、痰の少ない発作的な咳が続くと考えられています。
咳以外の症状として、
- イライラしやすい
- 胸や脇腹が張る
- のどが乾く・イガイガする
- 口が苦い
- 顔がほてる
- 寝つきが悪い
などの症状が多くみられます。
また、痰が多い場合には、飲食物から気をつくる「脾」の働きも確認します。
肺と肝の両方が関わっている方も少なくありません。四診で全身の状態をていねいに見極め、肺の気の流れを整えるツボ、肝の巡りをのびやかにするツボなど、その方に合ったツボを選んで施術します。
一人ひとりの体の状態に合わせて鍼灸によるツボの刺激をはじめ、
- 薬膳(食養生)
- 生活習慣のアドバイス
- 運動療法
などを組み合わせ、体の機能を高めていくのが東洋医学です。ですので、咳のつらさを和らげることを目指すとともに、様々な不調の改善にも取り組んでいきます。
当院では「鍼で咳喘息が治る」とはお伝えしていません。咳喘息の治療の中心は、呼吸器内科での吸入ステロイドを中心とした治療です。鍼灸が咳喘息そのものに効くかどうかについて、当院が確かな根拠を示せるわけではありません。主治医の治療と並行して、体全体の状態を整えるご相談としてお考えください。
中国の中医薬大学を卒業した鍼灸師

木もれび鍼灸院では、中国の中医薬大学を卒業した鍼灸師が施術を行います。幅広い知識と確かな技術で、的確なケアをしていきます。
また、ハリやもぐさなど使用する道具も、体にやさしいものを厳選。お客様の不調にしっかりとアプローチできる施術を行っています。
東洋医学の施術を初めて受けられる方も、安心していらしてください。
患者さまからの喜びの声

咳の感じが変わり、胸のもやもやを感じなくなった
約2ヶ月ぐらいせきが止まらなく、特に横になると、ひどくなるので、寝るのが、いやになってました。
まずせきの感じが違います。ずっと気になってた胸のぐるぐる(もやもや?)が感じなくなりました。かぜのなおりかけの時のようなせきのタイプに変化しました。
患者さまのインタビュー動画
※ご本人の感想を一部編集・要約して掲載しています。感じ方や経過には個人差があり、同様の結果を保証するものではありません。
おわりに
今回は咳喘息についてお話させていただきました。
病院へ通っても、薬を使っても、なかなか咳を繰り返す毎日から抜け出せないという方も、諦めないでください。東洋医学を専門とする木もれび鍼灸院では、気道だけでなく全身の状態を診ることで、あなたのお力になれることがあると考えています。
今現在、咳喘息の症状でお悩みの方は、ぜひ当院へご相談ください。主治医の治療と並行して、咳を繰り返しにくい体づくりと、安心して眠れる毎日を過ごせるようサポートさせていただきます。
参考資料
- 医療情報科学研究所 編.病気がみえる vol.4 呼吸器 第2版.メディックメディア,2013.p.36-39「咳嗽」
- 松瀬厚人,河野茂.咳嗽に関するガイドライン(第2版).日耳鼻 2016;119:157-162.※2012年版ガイドラインを紹介した総説であり、ガイドライン本体ではありません。
- 藤村政樹.咳喘息とは.medicina 2012;49(3).特集「内科医のための気管支喘息とCOPD診療」.出版社の目次ページ
- 権寧博,福田麻佐美,丸岡秀一郎.喘息に伴う咳嗽・喀痰の診かた.呼吸器ジャーナル 2018;66(3):398-403.出版社のページ
- 杨长森 主编.针灸治疗学.上海科学技术出版社.1.4 咳嗽(意訳して使用)
当院の技術は
多くのメディアで
紹介されています!!
※全ての方に施術による効果を保証するものではありません。
施術効果には個人差があり、症状や体質、経過によって異なる場合があります。