【正常眼圧緑内障】フラマー症候群の関係|夜間低血圧の危険性

【正常眼圧緑内障】フラマー症候群の関係|夜間低血圧の危険性 眼科

こんなお悩みありませんか?

目薬をさしても、治療を続けても視野がどんどん狭くなっていく。「眼圧は正常です」と言われているのに、なぜ緑内障が進んでしまうのか分からず不安を抱えていませんか?実はこの背景に、「フラマー症候群」という血管の調節不全の体質が関わっている可能性があります。

動画解説

今回は、正常眼圧緑内障とフラマー症候群の関係性、そして自分でできるセルフケアについて動画で解説しました。この記事では、その内容をさらに詳しく掘り下げていきます。

なぜこの症状が起こるのか?その根本原因

現代医学から見た原因

「緑内障=眼圧が高い」というのは欧米医療の常識ですが、日本の岐阜県多治見市で行われた大規模疫学調査「多治見スタディ」によると、日本人の緑内障患者の9割以上が、統計的には正常とされる眼圧の範囲内で発症していることが分かっています。欧米人に比べて、眼圧以外の要因が視神経障害に強く関わっている可能性が示唆されているのです。

  • 視神経の血流を保つ「自己調節能」の障害
  • 夜間の過度な血圧低下(オーバーディッパー)による視神経頭部の虚血と再灌流の反復
  • 眼球への灌流圧(血圧と眼圧の差)の低下

スイスの眼科医フラマー博士が提唱した「フラマー症候群」は、冷え性・低血圧・偏頭痛・痛みや匂いへの敏感さ・寝つきの悪さ・几帳面で完璧主義な性格・痩せ型といった特徴を持つ体質です。韓国のソウル大学校医学部付属病院で行われた研究(Park et al., 2017)では、正常眼圧緑内障の患者246名と健康な方1,116名を比較したところ、正常眼圧緑内障の患者にフラマー症候群の特徴が明確に多く見られることが報告されています。夜間の低血圧によって視神経への血流が断続的に途絶え、これが繰り返されることで視神経細胞に負担がかかっていくと考えられています。

東洋医学から見た根本原因

東洋医学では、この状態を単一の証ではなく、複数の証が重なった状態として捉えます。血の巡りが滞る「瘀血(おけつ)」、ストレスによって気の巡りが停滞する「肝気鬱結(かんきうっけつ)」、そして栄養や血が不足する「血虚(けっきょ)」です。これらが重なることで、視神経を養う血流がさらに滞りやすくなると考えられます。

症状改善への具体的なアプローチ

今すぐできるセルフケア

生活習慣の見直し

  • 手首・足首・首を冷やさない(就寝時も含めて)
  • 就寝前の足湯で全身の血行を促す
  • 夏場の冷房による血管の攣縮に注意する
  • 水分摂取と有酸素運動を一定程度行う
  • BMI22以上を目安に、しっかり食べて痩せすぎを避ける

腸の状態を整える

正常眼圧緑内障で来院される方の中には、腸の状態が慢性的に悪く、下剤を常用している方が多く見られます。自律神経と腸は「腸脳相関」として密接に関わっており、腸の不調が全身の血流にも影響すると考えられています。

専門的な鍼灸治療のアプローチ

木もれび鍼灸院での考え方

当院では、目そのものに直接アプローチするのではなく、みぞおちの奥にある太陽神経叢への鍼灸によって、全体的な自律神経の調節と血流改善を図る施術を行っています。また、下剤に頼らずに排便できる状態を目指す鍼灸・お灸によるケアも並行して行っています。

治療の流れ

問診 → 脈診・腹診 → 治療プランのご提案 → フォローアップ、という流れで、お一人おひとりの体質に合わせた施術を行います。

患者様からよくいただくご質問

Q1. 鍼灸を受ければ眼圧を下げる治療をやめても大丈夫ですか?
いいえ。鍼灸はあくまで自律神経や血流を整える補助的なアプローチです。眼科での定期的な検査・治療は必ず継続してください。

Q2. 冷え性は体質だから仕方ないのでしょうか?
体質的な傾向はありますが、日々のセルフケアと鍼灸によって血流の状態をサポートすることは可能と考えています。

Q3. どのくらいの期間で変化を感じられますか?
個人差が大きいため一概には言えませんが、自律神経や腸の状態など全身の変化として現れることが多いです。まずはご相談ください。

まとめ:健やかな毎日を取り戻すために

日本人の緑内障の多くは、眼圧が正常な「正常眼圧緑内障」です。その背景には、フラマー症候群という冷え・低血圧を特徴とする体質が関わっている可能性があります。眼科での治療を続けながら、自律神経や血流、腸の状態を整えるセルフケアと鍼灸を取り入れることで、体質そのものへのアプローチが期待できます。

木もれび鍼灸院でのご相談・治療をお考えの方へ

ひとりで悩まず、まずはお気軽にご相談ください。

お問い合わせ・ご予約はこちら

参考文献

  1. Yamamoto T, et al. Prevalence of primary open-angle glaucoma in a Japanese population: the Tajimi Study. PubMed
  2. Park HY, et al. Relationship between normal tension glaucoma and Flammer syndrome. 2017. PMC
  3. Koseki N, Tomita G, et al. Effect of nilvadipine on visual field progression in normal-tension glaucoma. PubMed
  4. Lee J, et al. Effect of Ginkgo biloba extract on visual field progression in normal tension glaucoma. 2013. PubMed
  5. Liu C, et al. Acupuncture for glaucoma: A systematic review and meta-analysis. 2020. KoreaScience