頭鳴り(ずめい)とは、耳ではなく頭の中で「キーン」「ジーン」「ツー」といった音が鳴っているように感じる症状です。東洋医学では「脳鳴(のうめい)」とも呼び、「脳鳴り」と書かれることもあります。耳鳴りといっしょに起こることも多い症状ですが、耳鳴りのある人を対象にした複数の調査では、音が「頭の中」で聞こえると答えた人がおよそ4〜10%と報告されています。中国の耳鳴り管理アプリの利用者約2万3千人のデータでも、約8%でした(いずれも耳鳴りの専門外来の患者さんやアプリの利用者を対象にした数字で、一般の方の割合ではありません)。
- 静かな部屋にいるときや、寝る前・朝起きたときに、頭の中で音が鳴り続けている
- 耳鼻科で検査を受けても「異常なし」と言われた
- どこに相談すればいいのかわからない
- 音が気になって眠りが浅くなっている
- 「何か悪い病気なのでは」と不安が募っている
当院にも、こうした頭鳴りのお悩みでご相談に来られる方がいます。
人に説明しても伝わりにくく、ひとりで不安を抱えたまま過ごしている。そんな方も多いのではないでしょうか。
頭鳴りのパターン
- 頭の中でずっと鳴り続ける
- 「キーン」「ジー」といった音が、頭の中や頭の上・後ろで続くタイプ。本人にしか聞こえない音で、頭鳴りの多くはこちらです。
- 耳鳴りと一緒に起こる
- 耳の近くでも頭の中でも鳴っているように感じるタイプ。東洋医学の古典でも、頭鳴りと耳鳴りはあわせて論じられることが多くありました。
- 疲れやストレスで強まる
- 睡眠不足や疲れ、悩みや怒りが続いたときに音が大きくなりやすいタイプ。
- 脈に合わせてドクドク鳴る
- 心臓の拍動に合わせて音が鳴るタイプ。血管の病気が隠れていることがあるため、まず医療機関での検査が必要です(くわしくは下の「主な原因」をご覧ください)。
そこで本記事では、頭鳴りのお悩みについて、東洋医学の視点から解説します。頭鳴りの不安を和らげ、穏やかな毎日を取り戻す助けになれば幸いです。
頭鳴りでお困りならば東洋医学専門の鍼灸院へ
大阪の鍼灸院
頭鳴りの症状

頭鳴りの主な症状は以下のとおりです。
- 頭の中で「キーン」「ジーン」「ツー」(電子音のような音)などの音が鳴る
- 音が頭の上や後ろ、耳の近くなどから聞こえるように感じる
- 静かな場所や、寝る前・起きたときに音が気になりやすい
- 耳鳴りを伴う
- 頭がふらつく、めまいがする
- 頭が重い
東洋医学の古典では、頭の中の音を「鳥のさえずりのよう」「虫やカエルの鳴き声のよう」とたとえた記述もあり、聞こえ方は人によってさまざまです。
症状が重い方ですと
- 音が気になって寝つけない、夜中に目が覚める
- 音に注意が向いて、仕事や家事に集中できない
- 「悪い病気ではないか」という不安が頭から離れない
といった症状がある場合もあります。
頭鳴りは周りの人には聞こえず、外から見てもわかりません。耳鳴りの診療ガイドラインでも、耳鳴りのために眠れなくなる方が多いこと、不安や気分の落ち込みを伴う方もしばしばみられることが指摘されています。人に話してもわかってもらいにくいつらさだからこそ、その負担は非常に大きいと思います。
頭鳴りの主な原因

西洋医学の観点からは、頭鳴りの主な原因として下記のようなものが考えられます。
耳鳴りの研究では、音が聞こえる場所の一つとして「頭の中」が数えられており、頭鳴りは「頭の中で聞こえる耳鳴り」としてとらえられています。耳鳴りは、耳から脳へ音を伝える通り道(聴覚路)のどこに不調が起きても生じうるとされ、原因となる病気では聞こえの低下(難聴)が最も多く、約3分の2を占めるとされます。聞こえが落ちて耳から入る音が減ると、脳が音への感度を上げて補おうとし、その結果として音が聞こえるようになる、という考え方が有力です。頭鳴りに限った仕組みは、まだよくわかっていません。
- 聞こえの低下(難聴)
- 大きな音を聞いたあとの耳のダメージ(音響外傷)
- 突発性難聴、メニエール病などの耳の病気
- 薬の影響による難聴
- 精神的なストレス
- 疲れ、睡眠不足
耳鳴りの診療ガイドラインでは、耳鳴りはストレスや疲れ、睡眠不足で強まり、よいときも悪いときもあるとされています。音を「嫌なもの」と感じると、体が緊張して自律神経が反応し、さらに音に注意が向いてしまう、という悪循環も知られています。
頭鳴りの症状の違いによって、考えられる原因は異なります。
脈に合わせてドクドク・ザーザーと鳴る
拍動性耳鳴:心臓の拍動や呼吸に合わせて音が鳴るタイプで、耳鳴り全体の10〜15%を占めるとされます。耳の周りの血流の乱れ(渦)が原因になることが多く、そのおよそ7割は、医師が聴診器などを当てると他人にも聞こえる音です。原因として、脳や首の血管の病気(硬膜動静脈瘻、動脈瘤、頸動脈の狭窄など)、耳の奥にできる血管性の腫瘍、頭の中の圧が高くなる病気などが挙げられ、MRIなどの画像検査の対象になります。
カチカチ・コツコツと鳴る
筋肉が原因の耳鳴(他覚的耳鳴の一つ):耳の周りやのどの奥の小さな筋肉が、リズミカルにけいれんすることで起こる音です。「カチカチ」という硬い音が特徴で、他人にも聞こえることがあります。顎関節症に伴う音が関係することもあります。
片側の耳鳴り・聞こえにくさを伴う
耳や聴神経の病気:突発性難聴やメニエール病などの耳の病気のほか、左右で聞こえに差がある場合には、聴神経(音を脳へ伝える神経)にできる良性の腫瘍(聴神経腫瘍)がないかを調べるため、画像検査が行われることがあります。耳鳴りそのものについては、耳鳴りの鍼灸治療についてをご覧ください。
頭痛がだんだん強くなる・頭の表面にしこりがある
脳の病気:東洋医学の古典にも、頭の表面のしこりを伴う頭鳴りの記述があり、現代の中医学の専門書では、脳腫瘍が疑われる場合には精密検査が必要とされています。
次のような頭鳴りは、まず医療機関(耳鼻咽喉科、脳神経外科・脳神経内科など)を受診してください
- 脈に合わせてドクドク・ザーザーと鳴る
- 周りの人にも音が聞こえる、と言われたことがある
- 急に聞こえが悪くなった、片側だけ耳鳴りや聞こえにくさがある
- 手足のしびれ・まひ、ろれつが回らない、物が二重に見えるなどを伴う
- 頭痛が日ごとに強くなる、頭の表面にしこりがある
まず医療機関で検査を受け、重大な病気がないことを確認したうえで鍼灸をご検討ください。中医学の専門書でも、他人にも聞こえる頭鳴りは注意が必要なものとして区別されています。当院では施術前の問診でこうしたサインがないかを確認し、必要な場合は医療機関の受診をおすすめしています。
ですが、検査を受けても頭鳴りの原因となる病気が見つからないことも少なくありません。「異常なし」と言われて安心した一方で、音は鳴り続けたまま、どうすればよいのかわからずにいる方もいらっしゃいます。
頭鳴りに東洋医学がおすすめの理由

頭鳴りの治療とのつきあい方
医療機関では、原因となる病気が見つかればその治療が行われます。また、耳鳴りの診療ガイドラインでは、音が生じる仕組みや一般的な経過をていねいに説明して不安を和らげる「教育的カウンセリング」が重視されており、治療の目標は「音による苦痛が軽くなり、気にならなくなること」とされています。服用中の薬がある方は、自己判断でやめないでください。
一方で、
- 検査で「異常なし」と言われ、ほかに相談できる場所がない
- 静かな夜になると音が気になって、眠りが浅い
- 疲れや不安が重なると、音が大きくなる気がする
- 頭鳴りのほかにも、めまいや胃腸の不調、だるさが続いている
というご相談も多く寄せられます。医療機関での検査・治療を受けながら、音が気になりにくい体づくりを並行して進めることが大切です。
東洋医学で内側から頭鳴りを改善

東洋医学では、頭鳴りだけに着目するのではなく、頭鳴りと一緒に起きている下記のような症状にも目を配り、全身の状態をチェックします。
- 耳鳴り
- めまい、頭のふらつき
- 腰や足のだるさ
- 目のかすみ
- 夢が多い、眠りが浅い
- 動悸、物忘れ
- 食欲不振、軟便
- むくみ
- イライラしやすい、ため息が多い
- 疲れやすい、だるい
東洋医学では頭鳴りを、頭だけの問題ではなく、体の内側のバランスの乱れのあらわれと考えます。全身の調子を整えることで、頭鳴りが気になりにくい体を目指していくのが東洋医学でのやり方です。そのため、「検査では異常なし」と言われた方や、治療を受けていても不調が残っている方にも、東洋医学ならではの視点からご提案ができます。
木もれび鍼灸院での施術の特徴
続けて、木もれび鍼灸院での施術についてくわしくご紹介します。

まずは、「四診」とよばれる東洋医学の伝統的な方法で、徹底的なカウンセリングを実施し、全身の状態を把握します。
四診とは、
- 視覚を通してチェックする「望診」
- 聴覚や嗅覚でチェックする「聞診」
- 問いかけと応答によりチェックする「問診」
- 脈や腹を診てチェックする「切診」
からなります。
頭鳴りの場合は、音が強くなるタイミング(起床時・就寝前・疲れたとき・気持ちが乱れたときなど)や、音の聞こえ方、睡眠や食事の様子もくわしくうかがいます。
頭鳴りを五臓の視点からみる

東洋医学では古くから、頭の中で音が鳴る症状を「脳鳴」「頭響(ずきょう)」「頭脳鳴響(ずのうめいきょう)」などと呼び、治療の対象としてきました。
東洋医学では、
- 腰や足のだるさ、ふらつき、耳鳴りを伴い、年齢や疲れの積み重ねとともに起こる頭鳴りは「腎」の不調
- 眠りの浅さや動悸、食欲不振を伴い、過労のあとに起こる頭鳴りは「心」と「脾」の不調
- 頭の重さや吐き気を伴い、味の濃い食事やお酒が続いたあとに起こる頭鳴りは「脾」の不調
- 悩みや怒りで音が強くなり、脇腹の張りやイライラを伴う頭鳴りは「肝」の不調
が原因と判断し施術をしています。(腎・心・脾・肝は、西洋医学の腎臓・心臓・脾臓・肝臓とは別物です。)
1つずつ解説していきます。
「腎」が原因の場合
東洋医学では、脳は「髄の海(髄海)」と呼ばれ、「腎」がたくわえる生命力の源(精)から髄がつくられると考えます。生まれつきの体の弱さや年齢、長く続いた病気などで腎の精が不足すると、脳を十分に養えなくなり、頭の中で音が鳴るようになるとされます。腰は「腎の住まい」と呼ばれ、腎は骨とも深く関わるため、腰や足のだるさを伴いやすいのも特徴です。
頭鳴り以外の症状として、
- 腰や足がだるく、力が入りにくい
- 頭がふらつく
- 目がくらむ、かすむ
- 耳鳴り
などの症状が多くみられます。
「心」と「脾」が原因の場合
「脾」は食べたものから気と血をつくり出し、「心」は血を全身にめぐらせ、心を落ち着かせる働きを担っています。過労や長く続いた病気で気と血がともに不足すると、目・耳など頭にある感覚の通り道(清竅:せいきょう)に栄養が届かなくなり、頭鳴りが起こるとされます。眠りや心の落ち着きに関わる心の不調と、食欲や消化に関わる脾の不調が、同時にあらわれるのが特徴です。
頭鳴り以外の症状として、
- 夢が多く、眠りが浅い
- 動悸
- 物忘れ
- めまい
- 息切れ、力が出ない
- 食欲がなく、少ししか食べられない
- むくみ
- 泥のようなやわらかい便
などの症状が多くみられます。
「脾」が原因の場合(湿と熱がこもるタイプ)
「脾」は体の余分な水分をさばく働きも担っています。味の濃いものや脂っこいものを好んで食べる、お酒をよく飲むといった生活が続くと、脾がさばききれなかった水分(湿)が熱を帯びて体にこもり、頭をめぐる経絡(気血の通り道)の流れをふさいで頭鳴りを起こすとされます。頭痛や、締めつけられるような頭の重さを伴いやすいのが特徴です。
頭鳴り以外の症状として、
- 頭痛
- 締めつけられるような頭の重さ
- めまい
- 吐き気
- 食欲不振
- 舌の苔が黄色く、べったりと厚い
などの症状が多くみられます。なお、頭痛が日ごとに強くなる場合や、頭の表面にしこりがある場合は、前述のとおり医療機関での検査を優先してください。
「肝」が原因の場合
「肝」は、全身の気のめぐりをのびやかに保つ働きを担っています。激しい怒りや悩みが続くと肝の気が滞り、気の上り下りが乱れて、頭にある感覚の通り道(清竅)がうまく通じなくなり、頭鳴りが起こるとされます。怒ったり悩んだりすると音が強くなるのが特徴で、古典でも、気持ちの高ぶりを控えることが大切だとされています。
頭鳴り以外の症状として、
- 両側の脇腹が張って痛む
- イライラしやすい
- 胸が苦しい
- ため息が多い
- 口が苦い
- のどが渇く
などの症状が多くみられます。
腎・心・脾・肝のうち、いくつかが重なって関わっている方も少なくありません。四診で全身の状態をていねいに見極め、腎の力を補う、気と血を補う、こもった湿と熱を取り除く、肝の気のめぐりをよくするなど、その方に合ったツボを選んで施術します。
そこで、これらの不調も改善するよう、大元の原因に鍼灸施術を行うのです。
一人ひとりの体の状態に合わせて鍼灸によるツボの刺激をはじめ、
- 薬膳(食養生)
- 生活習慣のアドバイス
- 運動療法
などを組み合わせ、体の機能を高めていくのが東洋医学です。ですので、頭鳴りのつらさを和らげることを目指すとともに、様々な不調の改善にも取り組んでいきます。
中国の中医薬大学を卒業した鍼灸師

木もれび鍼灸院では、中国の中医薬大学を卒業した鍼灸師が施術を行います。幅広い知識と確かな技術で、的確なケアをしていきます。
また、ハリやもぐさなど使用する道具も、体にやさしいものを厳選。お客様の不調にしっかりとアプローチできる施術を行っています。
東洋医学の施術を初めて受けられる方も、安心していらしてください。
患者さまからの喜びの声

起床時のツーという頭鳴りが、疲れたときに少し出る程度に
1カ月前位から、起床時に電子音のようなツーという頭鳴りがありました。5回ほど通院する中で、気づいたら頭鳴りの音が消えていました。睡眠不足や疲れている時などに少し出る事はありますが、明らかに音は小さく、ずっとは続きません。先生はとても丁寧に話を聞いて下さいます。
頭の上や後ろで鳴るキーン、ジーンという音が、日中は忘れるくらいに
頭の上や後ろ、耳の近くからキーン、ジーンという音がするようになりました。最初は耳鳴りかと思い耳鼻科で検査をしましたが、異常なしでした。頭鳴のレベルを⑤とすれば今は①ぐらいで、日中は頭鳴の事は忘れるぐらいです。静かな場所では少し感じますが、気にならないレベルです。
※ご本人の感想を一部編集・要約して掲載しています。感じ方や経過には個人差があり、同様の結果を保証するものではありません。
おわりに
今回は頭鳴りについてお話させていただきました。
検査で「異常なし」と言われても、頭の中で鳴り続ける音に不安を感じるのは、あなたのせいではありません。東洋医学を専門とする木もれび鍼灸院では、頭鳴りだけでなく全身の状態を診ることで、あなたのお力になれることがあると考えています。
今現在、頭鳴りの症状でお悩みの方は、ぜひ当院へご相談ください。頭鳴りが気になりにくい体づくりと、健康的な毎日を過ごせるようサポートさせていただきます。
参考資料
- 耳鳴診療ガイドライン 2019年版(Web公開版).総論「耳鳴とは」、診断「拍動性耳鳴の病態と治療」、付録「教育的カウンセリングの実際」
- Searchfield GD, Sanders PJ, Barde A.A scoping review of the spatial perception of tinnitus and a guideline for the minimum reporting of tinnitus location.Journal of the Royal Society of New Zealand.2025;55(3):501-519.(DOI: 10.1080/03036758.2024.2344781)※耳鳴りの専門外来などの患者を対象にした調査をまとめた文献です。著者は耳鳴り治療の企業と利益相反があります。本ページでは、耳鳴りが聞こえる場所の割合のみを引用しています
- Tang D ほか.The Fudan tinnitus relieving system application for tinnitus management.BMC Medical Informatics and Decision Making.2023;23:76.(DOI: 10.1186/s12911-023-02164-w)※中国の耳鳴り管理アプリの利用者22,867人のデータで、頭の中で聞こえると答えた人は約8%でした。スマートフォンアプリの利用者に偏っており、耳鳴りの方全体を代表する数字ではありません
- 『症状による中医診断と治療(上巻)』「脳鳴(頭鳴)」p.218-220
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※全ての方に施術による効果を保証するものではありません。
施術効果には個人差があり、症状や体質、経過によって異なる場合があります。